2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヤギ遺伝子マーカーの開発と応用 -特に、カシミヤ毛生産のQTL解析への応用-
Project/Area Number |
20580314
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
横濱 道成 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (40220561)
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Keywords | ヤギ / 遺伝子マーカー / マイクロサテライト / カシミヤ毛 / QTL / タイプIIケラチン / IGF1 |
Research Abstract |
ヤギのゲノム情報の整備は他の家畜と比べて圧倒的に遅れており、特に連鎖地図構築のための遺伝子マーカーの情報が不足している現状にある。そこで本研究はヤギゲノム解析のためのマイクロサテライトマーカーを作成し、多型情報の蓄積、および作成したマーカーを利用してカシミヤ毛形成に関与する遺伝子座の同定を試み、以下の結果を得た。 昨年度同様にマイクロサテライトマーカーの検出を試み、これまでのデータと統合した結果、500種を越えるマイクロサテライト領域を検出した。これらをSTS化した結果、最終的にPCR増幅可能な260種のマーカーが開発できた(Genbank accession no. AB591430- AB591690)。次に開発したマーカーの多型情報を蓄積するため、家畜ヤギ6品種および野生ヤギ、計9頭のDNAを用いてPCR-SSLP法により解析した結果、144種のマーカーにおいて品種間および個体間の多型が検出された。次に、開発した30種および既に報告されている81種のマーカーを蛍光修飾化後、フラグメント解析によりさらに詳細な多型情報を蓄積した。使用した111種のマーカーはすべて多型を示し、総計で638のアレルが検出された。各マーカーのアレル数は2-11と幅広く分布し、平均アレル数は5.75であり、そのうちのほとんどは品種内多型の検出としても有用であった。 次にこれらのマーカーを利用し、シバヤギ-ザーネン間の品種間交配家系を用いて連鎖解析を行った結果、昨年度の報告同様に第5番染色体上のマーカーとの連鎖が認められ、被毛形成に重要な役割をもつタイプIIケラチンファミリーおよびヘヤーサイクルのコントロール機能が報告されているinsulin-like growth factor-1(IGF-1)がカシミヤ毛生産に関与する候補遺伝子であることが強く示唆された。
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Research Products
(2 results)