2008 Fiscal Year Annual Research Report
コリン作動性神経-間質細胞-平滑筋の情報伝達が過活動膀胱の病態発現に果たす役割
Project/Area Number |
20580322
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
海野 年弘 Gifu University, 応用生物科学部, 教授 (90252121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 成一 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (70195866)
松山 勇人 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (80345800)
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Keywords | 膀胱 / コリン作動性神経 / 間質細胞 / 平滑筋細胞 / 過活動膀胱 / ムスカリン受容体 / ミュータントマウス |
Research Abstract |
本研究では、過活動膀胱の病態発現機構を明らかにする一環として、1)膀胱における生理学的および病態生理学的役割がまだ明らかになっていない間質細胞に着目し、同細胞がコリン作動性神経-平滑筋の情報伝達にどのような役割を果たすのか、2)その役割はムスカリン受容体のどのサブタイプを介しているのか、3)不安定膀胱の状態ではその役割がどのように変化するのかを明らかにし、尿失禁治療薬の新たな開発戦略を提供することを目的とした。今年度に得られた成果の概要は次の通りである。1)膀胱におけるコリン作動性神経を介した収縮反応を、ムスカリン受容体サブタイプの欠損マウスおよび間質細胞の欠損マウスを用いて検討した結果、収縮の発現にはM3ムスカリン受容体サブタイプが主に関与しているものの、間質細胞が収縮を直接仲介しているような証拠は得られなかった。しかし、過活動膀胱では、この細胞の数が増加するという報告があり、現在、過活動膀胱のモデルマウスを作成し、異常収縮の発現に間質細胞が関与するかどうか検討している。2)膀胱では、コリン作動性神経に加えてプリン作動性神経も膀胱を興奮性に支配している。両者の神経刺激収縮反応を解析した結果、プリン作動性神経を介した収縮の発現は、M2ムスカリン受容体サブタイプにより抑制性の調節を受けることが明らかになった。3)消化管では、コリン作動性神経を介した興奮性接合部電位(EJP)の発生に間質細胞の存在が必要であることが明らかになった。現在、膀胱におけるEJPの記録を行っており、神経筋伝達における間質細胞の役割について検討している。以上の成果の一部は、日本獣医学会および日本薬理学会に発表するとともに、2編の学術論文として公表した。また、専門誌への投稿を現在準備中である。
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