2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580331
|
Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
内藤 順平 Teikyo University of Science & Technology, 生命環境学部, 教授 (30048467)
|
Keywords | 視覚 / 網膜節細胞 / 樹状突起 / 進化 / 中枢投射 / トリ |
Research Abstract |
ヒヨコ網膜節細胞の形態について 脊椎動物の網膜は神経細胞とその突起が交互に重なる6層の積層構造をなす。この内、網膜節細胞、双極細胞およびアマクリン細胞の突起が作る内網状層は脊椎動物では一般に5層に細区分される。しかし、我々はヒヨコの網膜節細胞の突起は8層を形成することを示した。神経細胞にはカルシウム結合タンパクが広く存在することから、カルシウム結合タンパクに対する5種類の抗体を用いて内網状層を調べた。その結果、4つの層が標識された。中枢投射に関しては、視蓋と視床に投射する網膜節細胞は前者では網膜全体に、後者では網膜の中央部にそれぞれ分布した。両者に共通の樹状突起パターンは主に4-8層に分岐し、共通しない節細胞の樹状突起は1-8層まで広く層分岐した。 ヒヨコの色覚的特徴について 人工着色した色えさに対する興味を様々の色環境のもとに解析し、ヒヨコの色覚の特徴を調べた。その結果、色に対する好みは色環境により変化し、短波長より長波長ほど変化しやすく、おそらく季節と関連しているものと思われた。 両棲類の特徴 アフリカツメガエルを用い、網膜節細胞体の形態的特徴を調べた。細胞の密度はヒヨコ、ネコに比べかなり低く、ラットに近似している。細胞体の大きさにはいくつかのタイプがみられるが、樹状突起の層分岐とともに今度、詳しく調査する。 その他、付随的にラットの視覚野の脳波は飼育環境の変化により変化しやすいことが示唆された。
|