2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580331
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
内藤 順平 帝京科学大学, 生命環境学部, 教授 (30048467)
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Keywords | 両生類 / 視覚 / 網膜視蓋系 / 進化 / トノサマガエル |
Research Abstract |
鳥類における実験:1.蛍光抗体法と細胞内染色法により、視蓋F層に投射するAChR網膜節細胞の樹状突起の形態はNaito & Chen('04)のGroup IIc, IIs, III, IVと認められたが、Group Iは認められなかった。2.視蓋の網膜受容層の最下層であるF層に上行性樹状突起を送るより下層のI層の細胞にはカルレチニン陽性細胞とパルバルミン陽性細胞が互いに異なるグループとして存在した。どちらも主として小型であるが、後者の方がやや小さい。3.DiIによる逆行性標識により、視蓋F層に投射する網膜節細胞は主にsimpleタイプで、その樹状突起は内網状層の深部亜層に広がった。 両生類(カエル)における実験:1.ニッスル染色によるカエルの網膜節細胞は哺乳類、鳥類に比べ小さく、非常に密に存在した。網膜の中央部から周辺部までかなり均一な大きさで、やや大きな細胞が散見された。2.逆行性軸索トレサーで染め出された網膜節細胞の樹状突起には分岐が密な複雑型と疎な単純型が認められた。タイプはFIIIs、FIVcは明確に散見されたが、それ以外の分類は難しく、特にFIcタイプは不明瞭であった。3.視蓋の網膜受容層はヒヨコに比べ非常に厚く、ニッスル染色では細胞の疎な一つの白質層(第9層)として認められるが、順行性軸索トレサーによる網膜節細胞の終末分布には濃淡の亜層が5ないし6層認められた。4.一連の実験からヒヨコは色に好みがあり、環境により色の好みが変化することが分かっている。室温約20の部屋でトノサマガエルの色光(青、赤。緑、白)に対する反応を調べた。青色には有意に反応したが、他の光には特に好んで反応する証拠は得られなかった。両生類の視覚系は構造的に未分化で、色の弁別機能も低いと考えられた。
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Research Products
(4 results)