2010 Fiscal Year Annual Research Report
動物・ヒト間の多剤耐性ブドウ球菌相互感染と耐性因子伝達様式
Project/Area Number |
20580340
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中馬 猛久 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (90201631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 嘉六 鹿児島大学, 農学部, 教授 (00136847)
西 順一郎 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40295241)
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Keywords | ブドウ球菌 / 薬剤耐性 / MRSA |
Research Abstract |
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA : Methicillin-resistant Staphylococcus aureus)のβ-ラクタム薬耐性は、SCCmec (Staphylococcal cassette chromosomal mec)に含まれるmecAが関与している。これまで牛・馬・伴侶動物等からmecA保有ブドウ球菌が分離されているが、我が国の動物における報告は少ない。そこで、動物由来ブドウ球菌属のmecA保有状況、薬剤耐性状況、遺伝子レベルでの調査を行った。 2002~2009年に本学及び鹿児島市内開業動物病院に来院したイヌ・ネコから分離されブドウ球菌と同定された120株のうちS.aureusが21株、S.pseudintermediusが67株、CNS (Coagulase Negative Staphylococcus)が32株であり、そのうちmecA遺伝子を保有する株は、S.aureusで11株(52%)、S.pseudintermediusで27株(42%)、CNSで3株(9%)だった。mecA保有S.aureusのゲンタマイシン、クロラムフェニコールに対する耐性率(それぞれ45%、9%)と比較して、S.pseudintermediusの耐性率(それぞれ100%、74%)と有意に異なった。SCCmec型別では、S.aureusは6株がII型、5株がIV型であった。この型は共に人での流行型である。S.pseudintermediusは17株がIII型、10株がV型であり、S.aureusと異なる流行を示した。パルスフィールドゲル電気泳動法により、S.aureusでは7つの型に、S.pseudintermediusは12個の型に分類され、5つのクローナルな群が認められた。S.arueusは人の流行型であるII,IV型に型別され、PFGE型も多様性を示したことから人と動物の間での伝播の可能性が示唆された。S.pseudintermediusはIII,V型に型別され、薬剤耐性状況やPFGE解析を含めると、S.pseudintermediusにおける薬剤耐性は動物内で獲得され、さらに動物間での伝播の可能性が示唆された。
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