2008 Fiscal Year Annual Research Report
国際標準プロトコールによる高産乳牛における妊娠喪失発生状況の解析
Project/Area Number |
20580350
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
片桐 成二 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 准教授 (00292061)
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Keywords | 上皮成長因子 / 乳用牛 / リピートブリーディング / 子宮内膜 / 妊娠 / 農場 / 国際共同研究 / 生検 |
Research Abstract |
標準プロトコールの開発 : 7月に開かれた研究コンソーシアムワークショップ(ハンガリー)において研究計画に示したプロトコール案の評価を受け、不妊原因鑑別フローチャート、子宮内膜採取と増殖因子濃度測定については承認が得られた。20年度に予定していたこれらの手法によるわが国(北海道および九州)でのリピートブリーダー(RB)牛を用いたデータ採取は終了している(下記)。 胚死滅のモニタリングについては、牛およびその他の反芻動物を用いて標準プロトコール案の精度および実用性についての検討を行った。その結果、子宮および胚由来の妊娠関連物質の検出(EPF, ISG-15, Mx1および2など)および超音波検査を組み合わせることにより妊娠を中断することなく授精後2〜4週目の妊娠をモニタリング可能なことが示唆された。しかし、研究計画に示したプロトコール案は要求される技術レベルが高いことから、同法に加えて平均的な研究者・獣医師により実施可能なモニタリング手法(簡易版)を開発することとなった。 経産および未経産牛における妊娠喪失の発生状況 : 発情・授精後7日目に胚回収と移植を行い経産および未経産RB牛における早期胚死滅の発生頻度を調べたところ、未経産RB牛では経産RB牛に比べ7日目までの妊娠喪失が多く(23vs. 40%)、7〜16日目の胚死滅による妊娠喪失の割合は低い(38vs. 16%)ことが分かった。また、胚死滅の原因となる子宮内膜での上皮成長因子(EGF)発現低下の頻度は、未経産RB牛(8%)では経産RB牛(71%)に比べ低く、未経産牛では経産牛に比べ発情後早期に妊娠喪失がおこり、その原因は受精異常あるいは卵管での発生の異常によることが示唆された。また、暑熱ストレスは受胎率を低下させる傾向があったが、未経産および経産RB牛のいずれにおいても胚死滅の時期には影響を及ぼさないことが分かった。
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Research Products
(1 results)