2009 Fiscal Year Annual Research Report
国際標準プロトコールによる高産乳牛における妊娠喪失発生状況の解析
Project/Area Number |
20580350
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
片桐 成二 Rakuno Gakuen University, 獣医学部, 教授 (00292061)
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Keywords | 受胎性 / 胚死滅 / リピートブリーダー / 乳牛 / 子宮内膜 |
Research Abstract |
所属機関の新型インフルエンザへの対応方針により海外出張が制限されたため平成21年度6月に開催された標準プロトコール検討ワークショップ(ロンドン獣医科大学、英国)には参加できなかったが、ワークショップにおいて研究代表者が提出した胚死滅モニタリング手法の簡易版(最終版)が承認された。同ワークショップにおいて決定された新たなプロトコールを用いて乳用未経産牛延べ109頭および経産牛延べ102頭について胚死滅のモニタリングを実施した。その結果、発情後30~35日目までの妊娠喪失の割合は未経産および経産牛でそれぞれ29.4および47.1%であった。未経産牛では経産牛に比べ胚が産生する妊娠認識物質に対する生体反応(末梢血中のISG-15上昇)がみられたにも関わらず不受胎となる牛の割合が高い傾向がみられた(P=0.07)。一方、発情周期(黄体期)が延長した後に不受胎と判定される牛の割合は未経産牛に比べ経産牛で高い傾向が見られた(P=0.08)。また、(早期)胚死滅を繰り返す牛に対しホルモン剤あるいは精漿蛋白を用いた治療処置を行い子宮内膜の機能改善を試みたところ、約60%の牛が処置後2回までの授精で妊娠した。処置後の周期では妊娠認識物質に対する反応がみられた31頭(周期)のうち29頭(周期)で受胎しており、これらの受胎牛では処置を行わない周期で妊娠した牛に比べ妊娠認識物質に対する反応が明瞭(2.6倍)であった。
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