2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580351
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 知己 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (20272643)
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Keywords | 栄養 / 繁殖 / 黄体形成ホルモン / 卵胞刺激ホルモン / 高栄養給餌 / グルコース / インスリン / シバヤギ |
Research Abstract |
1. これまでの予備実験結果をもとに、発情周期を回帰するシバヤギにおいて、黄体開花期から卵胞期に7日間の高栄養給餌を行い、グルコースおよびインスリン分泌を刺激した。その結果、黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン分泌が亢進することを確認した。一方、継続的に高栄養給餌を行ったにもかかわらず、グルコースおよびインスリン濃度の上昇は一過性であり、処置によって排卵数を増加させることはできなった。また黄体期における卵胞発育波に関して、高栄養給餌による卵胞発育刺激効果も確認することができなかった。短期間の高栄養給餌によって卵巣活動を亢進させるためには、持続的にグルコースおよびインスリン分泌を刺激する方法の検討が必要であると思われる。 2. 高栄養給餌による繁殖活動刺激効果における動物の栄養状態の良否の影響を検討した。シバヤギを体重に基づき栄養標準群と肥満群に分け、7日間の高栄養給餌を行い、LHのパルス状分泌におよぼす影響を検討した。また、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)に対するLH分泌の感受性についても調査するため、高栄養給餌開始7日後にGnRH類縁物質10μgを静脈内に投与し、投与後のLH分泌パターンを調べた。その結果、高栄養給餌により両群においてインスリンおよびグルコース濃度が上昇しLH分泌が亢進されるものの、両群間に有意な差は認められなかった。また、GnRH投与後、両群において速やかにLH濃度が上昇したものの、両群間で有意な差は認められなかった。高栄養処置による生殖内分泌系刺激効果は、動物の栄養状態によって大きく左右されないことが示唆された。
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