2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580351
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 知己 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (20272643)
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Keywords | 栄養 / 繁殖 / 黄体形成ホルモン / 高栄養給餌 / グルコース / プロピレングリコール / ウシ / ヤギ |
Research Abstract |
1、本実験では短期間の高栄養給餌によるパルス状黄体形成ホルモン(LH)分泌の亢進は血中グルコース濃度の上昇によるという仮説を検証した。シバヤギを2群に分け、処置群には50%グルコース溶液を7.5ml/hの割合で持続投与した。対照群には生理食塩液を同様に投与した。LHのパルス状分泌を解析するため、投与前、投与後3日および7日に10分毎6時間の頻回採血を行い、血漿中LH濃度を測定した。その結果、処置群における投与後1日において有意な血中グルコース濃度の上昇が観察されたが、その後はグルコース溶液を持続投与しているにもかかわらず、対照群との間に有意な差は認められなかった。LHパルス頻度は投与前、投与後3日および7日のすべての日において、両群間に有意な差は認められなかった。以上の成績において本実験で掲げた仮説を支持する結果を得ることはできなかった。今回グルコース溶液を持続的に投与したにもかかわらず、一過性のみの血中グルコース濃度の上昇が認めちれたことから、投与法の検討が必要と思われる。 2、外生的なグルコース利用性増加処置が乳牛における卵巣活動におよぼす影響を検討した。本実験では、栄養状態の均一化をはかるため、未経産ホルスタイン種を用いた。処置群に排卵後6日~8日の3日間糖生成前駆物質のプロピレングリコール(PG)を1日1回250ml経口投与した。そして、排卵後10日にプロスタグランジンF_2_α15mgを筋肉内注射して黄体退行を誘起し、排卵後10~12の3日間再びPG250mlを1日2回経口投与した。対照群にはPGの代わりに水を投与した。その結果、処置群においてプロスタグランジンF_2_α投与後72時間までの期間中、血中グルコース濃度が有意に上昇することが確認された。しかし、卵胞や黄体の発育状態、また卵胞期における血中エストラジオール濃度の上昇に両群間で有意な差は認められなかった。本実験手法では糖生成前駆物質を利用した繁殖機能刺激効果は確認できなかった。
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