2008 Fiscal Year Annual Research Report
乳牛の分娩後生殖機能回復モニタリングに基づく繁殖効率向上プログラムの開発
Project/Area Number |
20580353
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中尾 敏彦 Yamaguchi University, 農学部, 教授 (30094824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 智佳子 新潟大学, 自然科学系, 助教 (50432092)
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Keywords | 乳牛 / 分娩後生殖機能回復 / 胚移植 / 人工授精 / Progesterone / 受胎率 / 分娩後初回授精 |
Research Abstract |
(1)乳牛の分娩後日数の経過と人工授精(AI)による受胎率との関係 山口県内および北海道の計14の牛群の767頭の乳牛と新潟県および長野県内の4牛群の計70頭の乳牛について、定期的な乳汁中黄体ホルモン測定により、分娩後の卵巣機能回復モニタリングを行い、分娩後AIまでの期聞と受胎率との関係およびAIまでの期間に影響する要医の解析を行った。初回AI受胎率は分娩後40日以内では低く、その後徐々に上昇し、81〜100日でピークを示し、その後はまた徐々に低下した。AI開始を遅くさせる要因は、胎盤停滞、子宮内膜炎、代謝病および卵巣機能回復異常などであった。 (2)分娩後繁殖開始時におけるAIと和年胚移植(ET)による繁殖成績の比較 分娩後の初回繁殖にETを用いた場合と、AIを用いた場合の繁殖成績の比較を2牛群で行った。牛群Aの初回ET群の初回受胎率は53.8%、210目以内妊娠率は88.5%、空胎目数は98±44日であり、AI群に比べ、優れた繁殖成績が得られた。B牛群でも同様の傾向が認められた。 (3)分娩後卵巣機能回復正常例におけるET実施の効果 広島大学附属農場の牛群において分娩後生殖機能回復正常と判定された乳牛だけを用い、無作為に初回繁殖ET群とAIのみの対照群に分け、繁殖成績を比較する試験を実施中である。21年3月現在、ETおよびAIの実施を開始した段階にある。 以上のように、分娩後の生殖機能回復モニタリングに基づいて、初回繁殖にETを応用することは、乳牛の繁殖成績の向上に有効であることが示唆された。
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