2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580365
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
砂入 道夫 Nihon University, 生物資源科学部, 准教授 (80196906)
|
Keywords | 酸性硫酸塩土壌 / アルミニウム耐性 / Acidocella属細菌 / 植物・微生物共生系 / Eleocharis dulcis / 不溶性リン酸塩可溶化 / ゲノム / Panicum repens |
Research Abstract |
耕作に適さない問題土壌は陸地面積の約30%を占め、耕作地への転換が急務の課題となっている。世界の問題土壌の約30%は酸性土壌であり、酸性土壌の改良あるいはpH2-4の酸性土壌でも経済的に栽培できる食用作物の開発が望まれる。酸性土壌では低pHに加え、その強酸性で各種金属類が可溶化する金属過剰害、土壌中のリン酸が金属と結合不溶化するリン酸欠乏などのストレスによる植物の生育阻害がおこる。なかでもアルミニウムイオン(Al)が酸性土壌における植物の生育阻害要因の最大の要因として挙げられている。本研究では、pH3、Al濃度70ppm以上の湿地や池に適応した植物を、植物だけでなく共生する微生物にも注目し、植物・微生物共生体として解析することにより、酸性の問題土壌に適応した食用作物を開発するために必要な基礎的知見を得ることを目指す。 酸性土壌の水環境に適応した植物の探索・同定、生育環境の解析、共生微生物の単離解析などを進め、高い酸耐性、Al耐性を示す抽水植物Panicum repensやEleocharis dulcisの共生微生物群から優占種として高酸耐性、高Al耐性を示すAcidocella属細菌を単離した。更にA.aluminiidurans AL46株の遺伝子操作系を確立し、トランスポソン挿入変異ライブラリーを作製した。同ライブラリーより酸性土壌で形成される不溶性リン酸Al塩可溶化能を欠失した変異株を選択し、同菌の不溶性リン酸Al塩可溶化能の詳細な検討を行い、可溶化物質の同定を行った。
|