2009 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン類汚染環境評価のためのファイトモニタリングシステムの構築
Project/Area Number |
20580366
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
其木 茂則 Azabu University, 環境保健学部, 教授 (50130894)
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Keywords | 環境汚染 / 環境技術 / 環境モニタリング / ファイトモニタリング / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
内分泌かく乱物質としてのダイオキシン類の環境汚染が大きな社会問題となっている。これらダイオキシン類を汚染環境から速やかに除去することが急務であるが、それにはまず汚染濃度を正確に測定する必要がある。そのためには現在までの所、高分解能質量検出器付きガスクロマトグラフ(GC-MS)を使用する方法が最良であるが、この機器は高価である上に、分析に時間と費用がかかり、また高度な操作技術を要するという難点がある。よって本研究では、このGC-MS法に代わる簡便なダイオキシン類汚染の一次検出法として、ダイオキシン類暴露によりその発現が促進あるいは抑制される植物遺伝子をダイオキシン類汚染のモニタリング用遺伝子として用いる新規なファイトモニタリングシステムの構築を目指す。昨年度までに、ゲノム解析が完了しているシロイヌナズナを用いて、ダイオキシン類のグループであるコプラナーPCBの一種PCB126、PCDDの一種TCDD、および無塩化ビフェニールを暴露化学物質として、PCB126暴露により発現が変動する遺伝子をcDNAマイクロアレイ法およびサイバーグリーンを蛍光インターカレーターに用いるリアルタイムPCR法で数個に絞る事ができた。本年度は、その中の一つであるグルタチオンS-トランスフェラーゼに的を絞って、その発現調節領域を三つの長さに分け、それぞれをプロモーター解析用ベクターpHGWFS7に導入した。これを用いてそれぞれ長さの異なる発現調節領域をタバコ培養細胞BY-2のゲノムにパーティクルガン法で導入することを試み、それぞれ三種類の形質転換体を作出することができた。
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