2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580367
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
八田 珠郎 Japan International Research Center for Agricultural Sciences, 利用加工領域, 主任研究員 (60164860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小室 光世 筑波大学, 生命環境科学研究科, 講師 (40251037)
篠原 也寸志 (独)労働安全衛生総合研究所, 環境計測管理研究グループ, 上席研究員 (20321896)
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Keywords | 食品安全性 / 岩石・鉱物・鉱床学 / 風化 / 環境分析 / 土壌学 |
Research Abstract |
穀類の生産に関しては、開発途上地域における人口増加、国内や近隣諸国における食料・食品の安全性確保が逼迫する課題である。また、安全性に関しては、栽培土壌から穀類への元素の吸収過程において生ずる汚染のリスクを低減することが重要な課題である。現在、数種の汚染元素の調査研究や対策に関する研究が行われている。しかし、作物体中における元素がいかなる化合物として存在し、可食部近傍でどのように分布しているかが重要であり、「元素」の存在量のみの議論では不十分であり、「化合物」として把握することが不可欠である。そこで、本研究においては、穀類の安全性に影響を及ぼす、土壌から穀類への元素及びその化合物の移動、植物体における吸収、濃集機構の詳細な解明を行うことを目的とする。 平成21年度においては、以下を行った(1)Zn(亜鉛)、Cd(カドミウム)、Sn(スズ)鉱床分布地域(生野鉱山、明延鉱山、夏梅鉱山)において現地調査、試料採取行い、風化による土壌構成鉱物の生成プロセスを分析した。採取試料及び栽培試験後の土壌試料を用いて、化合状態及び結合状態の分析や元素の分布解析を行い、同族置換の存在が明らかとなった。CdのZnに対する置換率は2000~4000ppmであった。なお、As(ヒ素)が存在する地域においては、Sb(アンチモン)との置換も認められた。(2)栽培土壌からコメ可食部への汚染元素の化合物としての存在形態変化の把握を行った。本年度はとくに化学熱力学的分析手法を用いて検討した。(3)一定量の重金属を含む土壌を用いてコメ栽培試験を実施し、栽培終了後、可食部近傍の分析を行った結果コメ粒内の元素の偏在状態の詳細を把握した。
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Research Products
(11 results)