2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスによる細胞膜糖脂質修飾を介した癌細胞増殖・浸潤制御の機構解析
Project/Area Number |
20580369
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
三浦 豊 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (10219595)
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Keywords | 酸化ストレス / 癌細胞浸潤 / 細胞膜 / 癌転移 / 糖脂質 |
Research Abstract |
酸化ストレスにより誘導される細胞膜糖脂質修飾を同定するため、マウス黒色腫細胞B16FlOを1%酸素条件下で72時間培養した後、細胞膜糖脂質を調製した。糖脂質の調製は、回収した癌細胞よりヘキサン/イソプロパノールにより細胞膜脂質を抽出し、その後Folch抽出法を行うことで実施した。この状態の極性脂質には多くの不純物が含有されていたため、C18カラムを用いて、更に精製を行った。精製後の糖脂質をHPTLC分析に供し、オルシノール染色およびレゾルシノール染色により可視化したところ、B16F10細胞の主要な糖脂質はガングリオシドGM3であることが明らかとなり、また低酸素条件下で72時間培養することにより、移動度の異なるガングリオシドが出現することが確認された。精製GM3と比べるとわずかに移動度が遅くなる傾向が観察され、低酸素条件下での培養により細胞膜糖脂質に修飾が起きているものと推測された。細胞培養系では修飾糖脂質の構造を決定するだけの量が得られないことが明らかとなったため、次年度に向けて固形癌を出発原料とする手法の検討を開始している。また、外因性に精製ガングリオシドを添加し、細胞膜糖脂質含量を増加させた際にB16F10細胞の細胞運動能が低下することを見出し、その機構を解析するため細胞膜マイクロドメインを調製し、各種細胞膜タンパク質の局在をWestern Blot分析により検討すると同時に、蛍光顕微鏡を用いた細胞免疫染色を実施した。その結果細胞運動能の低下にはマイクロドメインへのインテグリンα5β1およびCD9、c-metの局在変化が関与していることを見出した。
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Research Products
(3 results)