2009 Fiscal Year Annual Research Report
mRNA成熟に必須の機能を持つTREXの新規ゲノム安定性維持機構の解明
Project/Area Number |
20580370
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 誠司 Kyoto University, 生命科学研究科, 准教授 (20260614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門間 敬子 京都文教大学, 人間学部, 准教授 (70397561)
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Keywords | TREX / ゲノム安定性 / mRNA |
Research Abstract |
細胞は、ゲノムDNAを一旦mRNAに転写し、それを鋳型として蛋白質の生合成を行う。転写されたmRNA(+)鎖とゲノムDNAの(-)鎖は相補的であるので、そのままでは新生RNAとゲノムDNAは、ハイブリッドを形成する。しかしDNA:RNAハイブリッドは、グノムの安定性を低下そせる原因となるだけそなく、細胞死やガン化を誘導する非常に危険な分子である。このため細胞は、DNA:RNAハイブリッドの形成を厳密に制御している。TREX複合体は、mRNAの転写伸長と核外輸送(細胞質への輸送)を共役する因子であり、欠損するとmRNA代謝異常だけでなくゲノム安定性も低下することを観察している。本研究は、mRNAが転写される際のDNA:RNAハイブリッドの形成制御メカニズムを、TREX複合体を用いて明らかにすることである。 今年度は、まずTREX複合体のなかで、ヒトから酵母まで必須であるUAP56/URH49に焦点を当て、RNAiによるノックダウンを行った際の細胞に対する影響について解析した。いずれかのノックダウンに対する影響を細胞レベルで解析したところ、UAP56のノックダウンではM期初期に異常を生じた。一方URH49ノックダウウンではM期後期に異常を生じた。そこでこれらの因子が制御する遺伝子の検索をアレイを用いて行った。約28000種の遺伝子の中からどちらの因子も約500種類の遺伝子の発現が顕著に減少していた。これらの中には共通の遺伝子も含まれていたが、多くはユニークであった。これらのことからUAP56とURH49は異なる遺伝子のmRNA成熟を制御していることを見いだした。現在UAP56ならびにURH49の制御する遺伝子とその制御メカニズムを解析している。
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Research Products
(3 results)