2010 Fiscal Year Annual Research Report
mRNA成熟に必須の機能を持つTREXの新規ゲノム安定性維持機構の解明
Project/Area Number |
20580370
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 誠司 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (20260614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門間 敬子 京都文教大学, 人間学部, 准教授 (70397561)
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Keywords | mRNA / UAP56 / URH49 / TREX / AREX |
Research Abstract |
細胞は、ゲノムDNAを一旦mRNAに転写し、それを鋳型として蛋白質の生合成を行う。転写されたmRNA(+)鎖とゲノムDNAの(-)鎖は相補的であるので、そのままでは新生RNAとゲノムDNAは、ハイブリッドを形成する。しかしDNA:RNAハイブリッドは、ゲノムの安定性を低下させる原因となるだけでなく、細胞死やガン化を誘導する非常に危険な分子である。このため細胞は、DNA:RNAハイブリッドの形成を厳密に制御している。TREX複合体は、mRNAの転写伸長と核外輸送(細胞質への輸送)を共役する因子であり、欠損するとmRNA代謝異常だけでなくゲノム安定性も低下することを観察している。本研究は、mRNAが転写される際のDNA:RNAハイブリッドの形成制御メカニズムを、TREX複合体を用いて明らかにすることである。 今年度は、まずTREX複合体のなかで、ヒトから酵母まで必須であるUAP56/URH49に焦点を当て、RNAiによるノックダウンを行った際の細胞に対する影響について解析した。いずれかのノックダウンに対する影響を細胞レベルで解析したところ、UAP56とURH49のノックダウンでは異なる表現系を示した。この原因について解析したところ、それぞれの相互作用する因子に違いのあることを見いだした。さらにUAP56は既知のTREX複合体を、URH49はCIP29と新規のAREX複合体を形成していた。UAP56とURH49のノックダウンによる表現系に違いはそれぞれの複合体形成に由来することを明らかにした。これらのことからUAP56とURH49は異なる遺伝子のmRNA成熟を制御していることを見いだした。またゲノム安定性への寄与についてはUAP56よりもURH49のほうが効果の大きいことを見いだしている。これについて複合体形成で説明できるかについて解析している。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] The closely related RNA helicases, UAP56 and URH49, preferentially form distinct mRNA export machineries and coordinately regulate mitotic progression.2010
Author(s)
Yamazaki, T., Fujiwara, N., Yukinaga, H., Ebisuya, M., Shiki, T., Kurihara, T., Kioka, N., Kambe, K., Nagao, M., Nishida, E., Masuda S.
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Journal Title
Mol.Biol.Cell
Volume: 21
Pages: 2953-2965
Peer Reviewed
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[Journal Article] A Screening Method Tuned for mRNA Processing Factors in Human Cells by Evaluating the Luciferase Reporter Activity and the Subcellular Distribution of Bulk Poly(A)^+ RNA.2010
Author(s)
Fujiwara, N., Yoshikawa, M., Yamazaki, T., Kambe, T., Nagao, M., Masuda, S.
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Journal Title
Biosci.Biotechnol.Biochem.
Volume: 74
Pages: 1512-1516
Peer Reviewed
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[Book] 分子生物学2011
Author(s)
深見泰夫編集、分担執筆、3,4章担当
Total Pages
237(31-70)
Publisher
化学同人