2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590007
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
杉浦 正晴 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (00376592)
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Keywords | Lewis塩基触媒 / 有機分子触媒 / 還元的アルドール反応 / 4H-1,3-オキサジン / クロロ化アルドール反応 / ビスニトロン |
Research Abstract |
トリクロロシランによるα,β-不飽和ケトンの共役還元反応が、有機Lewis塩基触媒を用いることに六員環遷移状態を経由して協奏的に進行することを見出したことを契機に、本(平成20)年度から3年間の本助成を受けて「協奏的反応機構を積極的に取り入れた効率的な有機触媒結合形成反応の開発」を目的として研究を開始した。本年度の成果を以下に要約する。 1.α,β-不飽和ケトンの共役還元反応に続くアルデヒドとのアルドール反応(還元的アルドール反応)が、不斉Lewis塩基触媒の存在下ワンポットで進行し、良好なエナンチオ選択性が得られることを見出した。また、本条件下では、アルデヒドは1,2-還元を受けず、α,β-不飽和アルデヒドは共役還元も受けないことを見出した。 2.4H-1,3-オキサジンの初めてのエナンチオ選択的合成が、不斉Lewis塩基触媒によるN-アシルβ-アミノケトンとトリクロロシランとの反応により実現できることを見出した。また、光学活性な4H-1,3-オキサジンは、種々の反応条件で、様々なキラル化合物へとラセミ化を伴うことなく誘導できることが分かった。 3.イノンに対する塩化物イオンの共役付加を伴うアルドール反応(クロロ化アルドール反応)が不斉Lewis塩基触媒と四塩化ケイ素を用いると高収率で進行することを見出した。また、エナンチオ選択性はまだ不十分であるが、フェノキサフスフィン環を有する新規なキラルボスフィンオキシドが本反応に有効であることが分かった。 4.これまで利用されてこなかったキラルなビスニトロンが、ビスヒドロキシルアミンと種々のアルデヒドとの縮合反応により容易に調製でき、新規なLewis塩基触媒として機能することを見出した。
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Research Products
(8 results)