2008 Fiscal Year Annual Research Report
血糖調節機構における神経伝達物質の関与に着目した生薬由来の血糖上昇抑制成分の研究
Project/Area Number |
20590011
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
堀 由美子 Showa University, 薬学部, 講師 (60317584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居塚 和生 昭和大学, 薬学部, 教授 (60135035)
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Keywords | 生姜 / 乾姜 / スルホン化誘導体 / 血糖調節機構 / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
我々が生薬ショウキョウ(生妻)から見出した新規スルホン化誘導体: glngesulfonlc acld類やshogasulfonic acid類は,基原であるショウガ根茎の辛味成分: gingerol類やshogaol類,あるいはdiarylheptanoid類が製品加工上の硫黄燻蒸処理によってスルホン化された化合物群である。これらについて生理活性試験を検討したところ, in vivoの系において,糖尿病や肥満の低減を示唆する知見が得られた。このことにより,ショウキョウ由来スルホン化誘導体がメタボリックシンドロームのみならず現代病として膨大な患者数を抱える糖尿病やその危険因子である肥満に対する治療・改善薬となり得る可能性が期待された。またスルホン化誘導体の体内動態と血糖値,脳内神経伝達物質合成量の関連性を明らかにすることで血糖調節機構における新たな評価系を確立できるものと考えた。20年度は先ず試料・被験薬となるスルホン化誘導体の量的な確保を行い,マウスを用いてスルホン化誘導体の投与実験による安全性および生理活性について検討した。その結果,以下のような成績を得た。 1.スルホン化誘導体は,ショウキョウ80%MeOH抽出エキスから各種カラムクロマトグラフィーを繰り返し,単離・精製すると共に, gingerol類やdiarylheptanoid類から有機合成によって作製し,動物経口投与試験に要する量を確保した。 2.スルホン化誘導体の単回/長期投与試験,スルホン化誘導体含有/非含有ショウキョウの熱水抽出エキスの3ヶ月投与試験ならびに80%MeOH抽出エキスの12ヶ月投与試験のいずれにおいても,投与試験終了時までにマウスの死亡例はなく,毒性発現を示唆するような異常は認められなかった。 3.スルホン化誘導体はα-グルコシダーゼに対して阻害作用を有し,食後の過血糖抑制効果を示すことが分かった。
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