2008 Fiscal Year Annual Research Report
不斉触媒を用いたイソキノリン及びインドールアルカロイド類の全合成研究
Project/Area Number |
20590012
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
伊藤 喬 Showa University, 薬学部, 教授 (40159885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金光 卓也 昭和大学, 薬学部, 助教 (10372913)
永田 和弘 昭和大学, 薬学部, 准教授 (20208010)
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Keywords | 有機触媒 / プロリン触媒 / 触媒的不斉アリル化 / インドールアルカロイド / イソキノリンアルカロイド |
Research Abstract |
当研究室で開発したイミンに対する触媒的不斉アリル化反応は、環状イミンに対して触媒的に不斉を誘起するこれまでに例のない反応である。これを利用して、3,4-ジヒドロイソキノリン誘導体に対する反応を行い、1-アリル付加体を高立体選択的に得ることに成功した。本化合物を利用して海洋性天然物であるSchulzeine Aの不斉全合成を検討し、6個のキラル中心を含む化合物をエナンチオ選択的に合成した。後一段階で当該化合物の不斉全合成が完成する。今後、本化合物のα-グルコシダーゼ阻害活性を検討し、新規医薬品のリード化合物としての可能性も検討する。また、相間移動触媒を用いた反応を検討する過程で、分子状酸素が酸化剤として機能し、ラジカル反応が不斉環境下で進行する新規な反応系を見いだした。これは相間移動触媒を用いてラジカル的に不斉反応が進行することを証明した初めての例である。この反応を、インドールアルカロイド合成のための重要中間体である3-ヒドロキシ-2-オキシインドールの不斉合成に使用した。現在、本反応系を利用して、ラジカル的炭素-炭素結合形成反応への応用を検討している。更に、プロリン触媒を用いた触媒的不斉マンニッヒ反応をβ-カルボリン誘導体に適用し、この反応で得られるキラルβ-カルボリン誘導体を鍵中間体として幾つかの生理活性インドールアルカロイドの不斉合成を行った。現在、本反応系を更に応用し、レセルピン等の生理活性物質合成への応用を検討している。
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