2009 Fiscal Year Annual Research Report
不斉触媒を用いたイソキノリン及びインドールアルカロイド類の全合成研究
Project/Area Number |
20590012
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
伊藤 喬 Showa University, 薬学部, 教授 (40159885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 和弘 昭和大学, 薬学部, 准教授 (20208010)
金光 卓也 昭和大学, 薬学部, 助教 (10372913)
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Keywords | 有機触媒 / プロリン触媒 / 触媒的不斉アリル化 / インドールアルカロイド / イソキノリンアルカロイド |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、海洋から得られる新規α-グルコシダーゼ阻害薬であるSchulzeine Aおよび類似構造を有するPenasulfate Aの不斉全合成研究を行った。両者とも天然物に含まれる全ての炭素骨格の構築に成功し、残りは硫酸エステルを結合させる段階のみである。更に、これらの化合物は、長鎖脂肪酸と複素環の組み合わせによって成り立っている。従って、合成した長鎖脂肪酸、複素環部分を入れ替えることによって、天然物のハイブリッド構造を容易に作り出すことができる。これらハイブリッド化合物の生理活性についても検討中である。 種々のアルカロイド不斉合成に用いる触媒反応の開発も検討している。最もスタンダードな有機触媒であるプロリンとは異なる機能を有する新たな有機触媒として、α-メチル-β-プロリンの開発を検討した。その結果、本触媒はプロリン及び類縁のアミノ酸触媒とは異なり、塩化メチレンのような低極性有機溶媒に可溶であることが明らかとなった。触媒回転数も上がり、これまでの有機触媒の欠点であった「触媒活性の低さ」を払拭することができた。また、本触媒は極めて高い立体選択性を示し、新規アルカロイド合成の際のキラル中心の構築に用いることが可能な、実用的レベルの合成法の開発に成功した。 これ以外の新規触媒開発のための試みとして、プロリンを出発原料とした新たな触媒開発を検討した。すなわち、プロリンのカルボキシル基部分に新たな不斉源としてキラルアミン類を導入し、触媒特性への影響を検討した。その結果、プロリンとは異なり、水溶液中でも触媒機能を有する新たなプロリン誘導体の発見に成功し、これを用いてホルムアルデヒド水溶液を用いたアルドール反応を行うことができた。 新規に開発したこれらの不斉触媒反応を利用して、種々のアルカロイドの不斉合成を検討中である。
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[Journal Article] Catalytic Asymmetric Alkylation of α-Cyanocarboxylates and Acetoacetates using a Phase-transfer Catalyst2009
Author(s)
Nagata, K., Sano, D., Shimizu, Y., Miyazaki, M., Kanemitsu, T., Itoh, T.
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Journal Title
Tetrahedron Asymmetry 20
Pages: 2530-2536
Peer Reviewed
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