2010 Fiscal Year Annual Research Report
酸・塩基複合有機カルコゲニド触媒を用いた多点制御型キラルエノラート発生法の開発
Project/Area Number |
20590021
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
渡邉 真一 金城学院大学, 薬学部, 准教授 (40275095)
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Keywords | 光学活性テルラン / 光学活性セレニド / 不斉触媒 / 不斉シクロプロパン化 / 不斉アジリジン化 / ヘテロ原子化学 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に従い、新規触媒の合成及び各種触媒に対して不斉シクロプロパン化及びアジリジン化反応を検討した。 ビス-2-ヒドロキシ-10-ボルニルテルリドの合成を検討した。すなわち、リチウムテルリドと(1S)-10-ヨードカンファーとの反応より、75%でビス-10-カンホリルテルリドを得た。続く水素化リチウムアルミニウムによる還元はジヒドロキシテルリドを与えず、類似のスルフィド及びセレニドに比べ極性の高い生成物を与えた。本化合物の^<125>Te NMRはd1290を示し、新規な光学活性テルランと推測している。 ビス-10-カンホリルセレニドに対してグリニャール試薬を反応させ、ボルニル基のエンド位に立体障害を有する触媒合成を行った。ルイス酸として塩化ランタンビス塩化リチウム錯体存在下、フェニルグリニャール試薬との反応は94%で進行した。その他、メチルグリニャール試薬及びベンジルグリニャール試薬を用いた場合も同様に高収率で目的物が生成した。 ビス-2-ヒドロキシ-10-ボルニルカルコゲニド触媒を用いた不斉シクロプロパン化反応を検討した。溶媒としてDMF、塩基として水素化リチウム及びビス-2-ヒドロキシ-10-ボルニルセレニド触媒を用いた場合もっともよいエナンチオ選択性を示した。フェナシルブロミドとメチルビニルケトンを同条件下0℃、48時間反応させることでトランスシクロプロパン誘導体を40%、56%_<ee>で得た。 次にフェナシルプロミドとN-トシルイミンとの不斉アジリジン化反応を検討した。N-ベンジリデン-p-トルエンスルホンアミドとの反応は、アセトニトリル中、塩基として水素化リチウム及びビス-2-ヒドロキシ-10-ボルニルセレニド触媒を用い-40℃、24時間反応させることでシスアジリジン誘導体を42%、60%eeで得た。
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