2009 Fiscal Year Annual Research Report
典型金属塩を触媒とする新規環境調和型タンデム反応の開発と応用
Project/Area Number |
20590027
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
柳田 玲子 Hiroshima International University, 薬学部, 教授 (80239821)
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Keywords | 2-アルキニルベンズアミド / 触媒反応 / 環境調和型 / タンデム反応 / 金属塩触媒 / 超原子価ヨウ素試薬 / ホフマン転位 / イソシアネート |
Research Abstract |
研究の目的は取扱い容易な環境調和型金属塩を触媒反応に利用し、有用な反応の簡便化を図ることにある。 ・はじめに13族インジウム(III)やアルミニウム(III)の触媒としての活用を目指したが結果を出すには至らなかった。 ・そこでマイクロウェーブを利用した反応や、遷移金属塩による触媒反応を試みた。連続(タンデム)反応による、反応の効率化、合成の迅速化、反応操作の効率化をはかり、生物活性が期待される含窒素複素環化合物の簡便高収率な合成方法を確立するために、3種類の化合物を一度に混ぜマイクロウェーブ照射した。この反応はうまく進行し、各種置換基の異なるイソキノリン骨格とベンズイミダゾール骨格を併せ持つ化合物を短時間に高収率で得ることができた。反応はイミン生成、5-endo-trig環化反応、酸化反応、Cu-, Phosphine-free Sonogashira反応、6-endo-dig環化反応が連続しておこりイソキノリン骨格とベンズイミダゾール骨格を併せ持つ化合物に至ったと考えられる。 ・また別の反応として、2-アルキニルベンズアミドや2-アルキニルベンジルアミドの2位アルキンに対する金属塩触媒による活性化と、酸アミドに対する超原子価ヨウ素試薬の反応で,Hofmann-typeの転位を経てイソシアネートが生成すると同時にタンデム反応で一挙に求核置換反応、分子内環化反応を経て各種インドール誘導体やイソキノリン誘導体に変換可能な簡便なワンポット反応により、インドールやイソキノリン骨格が良好な収率で得られることを見出した。本反応の特徴は、超原子価ヨウ素試薬の共存下においても金属塩触媒の活性が低下せず、スムーズに反応が進行することである。また成績体はエンカルバメート構造を有し、更なる変換も可能な有用な合成中間体にもなり得る可能性を有する。
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Research Products
(6 results)