2009 Fiscal Year Annual Research Report
エナンチオ選択的キャロル転位反応を利用したテトラアルキル不斉炭素構築法
Project/Area Number |
20590029
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
江角 朋之 Tokushima Bunri University, 薬学部, 講師 (50315264)
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Keywords | 不斉反応 / 不斉1,4-付加反応 / 不斉マイケル付加反応 / all carbon quaternary center / Bakuchiol / tetraalkylated quaternary center |
Research Abstract |
任意のアルキニル誘導体から根岸ヨードアルミネーション,パラジウム(0)触媒存在化での一酸化炭素挿入を伴うキラルオキサゾリジノンとのカップリングにより導ける(S,E)-3-(3-メチル-2-アルケノイル)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オン誘導体に対し,エーテル中-50℃で(H_2C=CH)_2Cu(CN)Liを作用させると高いジアステレオ選択性(S:R=95:5)で1,4-付加反応が進行し,(S)-3-((S)-3-メテル-3-ビニルアルカノイル)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オン誘導体が収率よく得られることを見出した.さらに,1,4-付加体の一つである(S)-3-|(S)-6-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)-3-メチル-3-ビニルアルカノイル|-4-フェニルオキサゾリジン-2-オンを出発物質とし,水酸化リチウム/過酸化水素処理による加水分解,EDCを用いたエタノールとの縮合,LiAlH_4による還元,Dess-Martin酸化によりアルデヒド中間体へとみちびいた後,臭素化p-メトキシフェニルマグネシウムの求核付加,生じた水酸基のメシル化と続く脱離により二重結合形成後,HF-pyridineによるシリル基の脱保護,Dess-Martin酸化,Witting反応による側鎖メチルプロペニル基の形成およびヨウ化メチルマグネシウムを用いたS_N2型のメチル基の脱保護により天然物(+)-Bakuchiolのエナンチオ選択的な全合成を達成することに成功した.これはキラルなall carbon quaternary centerを含む様々な生理活性を持つ天然物や医薬品リード化合物の合成に有用な方法となることが期待される.これまで,キラルなall carbon quaternary centerを含む化合物の合成法はいくつか報告されてきたが,今回のように汎用性の高い方法は皆無であり,その実用的な応用に期待が高まる.
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Total Synthesis of(+)-Fostriecin and(+)-Phoslactomycin B2009
Author(s)
Shibahara, S., Fujino, M., Tashiro, Y., Okamoto, N., Esumi, T, Takahashi, K., Ishihara, J., Hatakeyama
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Journal Title
Synthesis 17
Pages: 2835-2953
Peer Reviewed
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