2010 Fiscal Year Annual Research Report
エナンチオ選択的キャロル転位反応を利用したテトラアルキル不斉炭素構築法
Project/Area Number |
20590029
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
江角 朋之 徳島文理大学, 薬学部, 講師 (50315264)
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Keywords | ネオビブサニン / 不斉反応 / 天然物合成 / 根岸環化カルボニル化 / 抗アルツハイマー病薬 / 全炭素四級不斉炭素 / オールカーボン四級炭素 / テトラアルキル四級炭素 |
Research Abstract |
3-ブチンオールから根岸ヨードメチル化に続くTBDPS化およびPd(0)触媒下での一酸化炭素挿入を伴う(S)-フェニルオキサゾリジノンとのカップリングにより高立体選択的かつ効率的に3を得た.次いで,(H_2C=CH)_2Cu(CN)Li_2を3と反応させると,高ジアステレオ選択的(95:5)かつ高収率(92%)で付加体2が得られることを見いだした.さらに,3段階の反応によりオキサゾリジノン部を除去して共通中間体1へと変換できた.これにより,ビブサニン類の合成における共通中間体1が光学的に純粋な形で大量供給可能となった光学的に純粋な1を6段階の反応により,ω-アルケニル-α-ヨードアルケン4へと変換後,根岸らの方法に準じ,環化カルボニル化-エステル化タンデム反応に付したところ,良好な収率で環化体5が得られてきた.本反応を6員環の形成に用いた例はほとんど知られておらず,複雑な構造を持つ天然物の合成に使われた初めての例である.続いて,6段階の変換により,今川・西澤らによる(±)-ネオビブサニンBの合成中間体6に光学的に純粋な形で導くことができた.これにより,(+)-ネオビブサニンBの初のエナンチオ選択的な形式合成が完了した.
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Research Products
(7 results)