2008 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞特異的・血中滞留及び徐放型siRNAデリバリー超分子システムの構築
Project/Area Number |
20590037
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
有馬 英俊 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (50260964)
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Keywords | ドラッグデリバリー / siRNA / シクロデキストリン / デンドリマー / shRNA / 葉酸レセプター / 癌細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、siRNAまたはshort hairpin RNA発現ベクター(以下、shRNA)に徐放性/血中滞留性/癌細胞選択性を付与する新規超分子複合体デリバリーシステムを構築することである。すなわち、本研究ではまず癌細胞特異的かつ血中滞留性を有するキャリアの構築を企図して、我々が遺伝子・siRNAキャリアとして独自に開発したスターバーストポリアミドアミンデンドリマー/α-シクロデキストリン結合体(α-CDE)にポリエチレングリコール(PEG)化葉酸を導入したPEG-Fol-α-CDEを調製することとした。平成20年度では、血液中における滞留性並びに腫瘍細胞への選択的なsiRNA・shRNAのデリバリーシステムの構築を企図して、PEG-Fol-α-CDEの構築に関する検討を行い、葉酸レセプターを高発現している細胞(KB細胞、RAW264.7細胞)において、α-CDEと比較して、レポーター遺伝子として用いたルシフェラーゼ遺伝子の発現をsiRNA配列依存的に抑制し、優れたRNAi効果を示すこと、また、PEG-Fol-α-CDEのRNAi効果は葉酸レセプターを発現していない細胞ではα-CDEよりも低下することを明らかにした。このように我々は、PEG-Fol-α-CDEが癌細胞選択的にsiRNAを導入し、RNAi効果を誘導できることを見出した。
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