2008 Fiscal Year Annual Research Report
汎用型高速向流クロマトグラフ装置の開発と極性物質分離への応用
Project/Area Number |
20590040
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
四宮 一総 Nihon University, 薬学部, 准教授 (70215995)
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Keywords | 薬学 / 分析科学 / 分離分析法 / クロマトグラフィー / 極性物質 / 液-液分配 |
Research Abstract |
向流クロマトグラフィー(CCC)はこ二液相間での物質の分配を分離原理としているため、固定相溶媒を保持しながら移動相溶媒を送液することで高い分離効率を達成する装置の開発が不可欠である。従来開発された装置の中で、J型CCCは回転機構が簡素で、有機溶媒-水系二相溶媒の使用が可能であるが、水性二相溶媒をカラム内に保持することができない。一方、交軸型CCCは水性二相溶媒も使用できるが、回転機構が複雑なため市販されていない。我々は、非同期型CCCによりタンパク質分離を検討した結果、J型CCCの自転(forward rotation: Pforward)とは逆方向の自転(backward rotation: Pbackward)により固定相が保持されることを見出した。そこで、PforwardとPbackwardを行うカラムを組み合わせた小型交軸型CCCを製作し、タンパク質分離での有用性を証明した。この結果を踏まえ、本研究では汎用型高速CCC装置としてPbaclwardを行うJ型CCCを考案し、設計、製作した。テフロンチューブで作製したコイル状カラムは小型交軸型CCCと同様の回転半径で自転軸と公転軸が平行となるように設置し、高速回転時における安定性を確保するために4つを均等配置した。また、PforwardとPbackwardを行うカラムを隣同士に装着して回転に伴う送液チューブのねじれを解消させ、導入用と排出用の送液チューブ同士が接触で磨耗しない単一ライン構成の配管システムとした。以上の結果、カラムの脱着を容易にし、送液チューブの耐久性を増加させ、小型卓上型とした操作性の高い装置を製作することができた。現在、対角に設置した同方向に自転する1対のカラムを用いて物質の分離を検討中である。
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Research Products
(2 results)