2008 Fiscal Year Annual Research Report
デリバリーキャリアを利用したバイオ医薬の次世代型・非侵襲的DDSの開発研究
Project/Area Number |
20590042
|
Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
森下 まり子 Hoshi University, 星薬科大学・薬学部, 准教授 (70257096)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 幸三 星薬科大学, 薬学部, 教授 (00130758)
|
Keywords | 薬物送達システム / インスリン / バイオ医薬 / 機能性ペプチド / バイオアベイラビリティ / 細胞膜透過ペプチド / 吸収改善 / Caco-2細胞 |
Research Abstract |
本研究は、非侵襲的デリバリーシステムによるバイオ医薬の臨床における早期実用化を可能とするために、高いバイオアベイラビリティを備えた、新規デリバリーシステムを創製することを目指している。 20年度は、これまでの研究により明らかとなった最も効果の高い機能性ペプチド:ペネトラチンについて、ペプチド鎖長、構成アミノ酸の種類およびアミノ酸配列を変えた構造改変体20種を合成し、各種構造改変体のインスリン吸収促進効果をラットin situ吸収実験法を用いて比較検討した。その結果、RおよびKの位置を固定し他のアミノ酸をランダム配列にした改変体の中で、ペネトラチンより強い効果を示すものを新たに見出すことが出来た。また、強い吸収促進作用を示す機能性ペプチドの構造の特徴については以下の傾向が示唆された。1)ペプチドの長さを短くしない方が良い、2)構成するアミノ酸の種類は変えない方が良い、3)塩基性アミノ酸の位置は保持した方が良いがRとKの位置は逆でも良い。今後は、構造活性相関による解析を行い、より効果の強い機能性ペプチドの探索目指す。 一方、Caco-2細胞を用いて、機能性ペプチド自身およびペプチド薬物の吸収促進メカニズムについて詳細な検討を行った。その結果、D-R8によるインスリン透過促進作用はapical側からbasal側方向のみの透過に認められ、D-R8の作用は方向性を有する可能性が示唆された。さらに、D-R8は、インスリン1分子に対して約1.5分子が結合したときに、顕著な透過促進作用を示した。これはラット腸管吸収実験で得られた過去の結果とほぼ一致する。これらのことから、ある分子数以上のD-R8の結合がインスリン透過促進作用には必要である可能性が強く示唆され、また、Caco-2単層膜透過実験はin vivoにおけるD-R8の吸収促進効果を反映する良好なモデルとなることが示唆された。
|
Research Products
(23 results)