2009 Fiscal Year Annual Research Report
シクロデキストリン包接を基盤とする準安定結晶の選択的調製とその機構解明
Project/Area Number |
20590050
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
平山 文俊 Sojo University, 薬学部, 教授 (90094036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庵原 大輔 崇城大学, 薬学部, 助手 (40454954)
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Keywords | シクロデキストリン / 結晶多形 / 準安定結晶 / 包接複合体 / 溶解速度 |
Research Abstract |
本研究では、シクロデキストリン(CyDs)複合体形成を利用した薬物の晶癖(結晶の外形)の制御に関する基礎的検討を行った。具体的には、アセチルサリチル酸(アスピリン)の結晶成長・ホモロジーに対するシクロデキストリン(CyDs)の影響を検討し、下記の結果を得た。 1.アスピリンを水溶液から結晶化すると板状結晶が析出した。一方、2-ヒドロキシブチル-β-CyD(HB-β-CyD)およびジメチル-β-CyD(DM-β-CyD)を添加すると針状結晶に変化した。針状結晶への変化はCyD濃度の上昇に伴い著しく増大した。 2.振動写真の結果より、HB-β-CyDあるいはDM-β-CyD添加溶液から析出したアスピリン針状結晶はb-軸へ伸長していることが明らかとなった。 3.結晶成長を観察した結果、HB-β-CyD添加溶液においてアスピリンはc-軸方向の結晶成長が著しく抑制されることが明らかとなった。 4.HB-β-CyD添加系、DM-β-CyD添加系およびアスピリン単独系から得たアスピリン結晶の溶解速度はHB-β-CyD添加系>DM-β-CyD添加系>単独系の順であり、HB-β-CyD添加系から得たアスピリン針状結晶の溶解速度は板状結晶に比べて有意に増大した。 以上の結果より、HB-β-CyDあるいはDM-β-CyDは晶癖の制御剤とした有用であることが明らかとなった。
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