2008 Fiscal Year Annual Research Report
細菌感染時にS-ニトロシル化される蛋白質の同定とその敗血症の病態形成への関与
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20590052
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西屋 禎 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 講師 (80399831)
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Keywords | iNOS / 敗血症 / S-ニトロシル化 |
Research Abstract |
本研究は、細菌感染時に特異的に発現するiNOSが如何なる蛋白質をS-ニトロシル化し、S-ニトロシル化蛋白質が如何に敗血症の病態形成に関与するのかを明らかにすることを目的とする。本年度は、iNOSがS-ニトロシル化する蛋白質の単離・同定を目指した。iNOSの近傍に局在する蛋白質は最もNOに暴露されやすいことから、酵母two-hybrid法(Y2H)を用いてiNOSと相互作用する分子の単離・同定を試みた。その結果、SPRY domain-containing SOCS box protein2(SSB-2)が単離された。ショウジョウバエのSSBがAsp-Ile-Asn-Asn-Asn(DINNN)配列を認識することが報告されていたことから、Y2Hのbaitに用いたiNOSのアミノ酸配列を調べだところ、N末端から23番目にDINNN配列が存在することを見出した。さらに、この配列が様々な動物のiNOSにおいて保存されていることを見出した。この配列中のAsp-27をAlaに置換したiNOS変異体はSSB-2と結合しなくなることも見出した。これらの結果から、SSB-2はiNOS中のDINNN配列を認識して結合することが示唆された。また、SSB-2の欠損変異体を用いた実験から、iNOSとの結合にはSOCS boxは関与せず、N末端領域とSPRY domainの両方が関与することを見出した。また、SSB-2はNOドナー処理によりS-ニトロシル化されることを見出した。SSB-2は分子内に4個のシステイン残基を有するが、Cvs-53、Cys-210、及びCvs-234をセリンに置換した変異体はS-ニトロシル化されなかつたことから、これらのシステインがS-ニトロシル化の標的であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)