2009 Fiscal Year Annual Research Report
細菌感染時にS-ニトロシル化される蛋白質の同定とその敗血症の病態形成への関与
Project/Area Number |
20590052
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西屋 禎 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 講師 (80399831)
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Keywords | iNOS / SSB / ubiquitination |
Research Abstract |
本研究は、細菌感染時に特異的に発現するiNOSが如何なる蛋白質をS-ニトロシル化し、その蛋白質が如何に敗血症の病態形成に関与するのかを明らかにすることを目的とする。本年度は、昨年度iNOS結合蛋白質として単離したSSB-2及び他のSSBファミリーメンバーとiNOSとの関係について検討した。SSBファミリーは、SSB-1~SSB-4の4種類の蛋白質で構成されている。昨年度はiNOSとSSB-2の結合について詳細に解析したが、本年度はまずSSB-2以外のSSBとiNOSの結合について検討した。その結果、1)SSB-1とSSB-4はiNOSに結合するが、SSB-3は結合しないこと、2)SSB-2と同様にSSB-1とSSB-4もiNOSのN末端に存在するDINNN配列を認識すること、がわかった。SSBは、そのC末端にSOCS boxを持ち、elongin B/C-Cul5-Rbx2型E3ユビキチンリガーゼ複合体に結合し、基質をE3へ運ぶアダプター分子として機能することが示唆されている。そこで、iNOSとSSB-1、SSB-2、及びSSB-4を共発現させたところ、1)iNOSとelongin C及びCul5が共沈すること、2)iNOSのユビキチン化体のレベルが増大すること、3)iNOSが急速に分解されること、を見出した。また、SSBとの結合に関与するiNOSのN末端部分(アミノ酸1-124)を過剰発現させると、iNOSに結合する全てのSSBがマスキングされて、iNOSがSSBに結合できなくなる、すなわち、SSBインヒビターとして機能することを見出した。このiNOS(1-124)をマウスマクロファージ細胞株のRAW264.7細胞に発現させたところ、iNOSの半減期が著しく延長されることが分かった。以上の結果から、SSBファミリーはiNOS寿命の制御因子として機能することが示唆された。
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Research Products
(1 results)