2008 Fiscal Year Annual Research Report
ABCタンパクD群のオルガネラ膜への選別輸送と機能発現の分子メカニズム
Project/Area Number |
20590054
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
今中 常雄 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (50119559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏山 恭範 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (20401812)
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Keywords | ABCタンパク質 / ペルオキシソーム / 小胞体 / 局在化機構 / 基質輸送機構 / ATP結合・加水分解 / 脂肪酸輸送 / Pex19p |
Research Abstract |
ABCタンパク質D群のオルガネラ膜への選別輸送機構と基質輸送の分子機構の解析を行い以下に示す成果を得た。 I. D群中でペルオキシソームへ輸送されるABCタンパク質(PMP70、ALDP、ALDRP)は生合成後、Pex19pと複合体を形成し、ペルオキシソーム膜上のPex3pと相互作用することによりペルオキシソーム膜へ挿入される。各種の欠失ならびに変異をもつGST-Pex19pを大腸菌に発現精製し、同様に精製したHis-Pex3pとの相互作用をNi^<2+>-NTA agarose resinへの結合を指標に解析した。その結果、Pex19pのN末33アミノ酸、特に29番目のPheがPex3pとの結合に必須であることが示唆された。 2. D群中、P70Rは小胞体膜へ局在化する。P70R-HAの各種変異体をCHO細胞に発現させ、細胞内の局在性を蛍光抗体法で解析した。その結果、N末端の膜貫通ドメインを含むアミノ酸配列の疎水性が小胞体膜局在化に重要であること、小胞体滞留には第6膜貫通ドメインだけでも十分であることが示唆された。 3. P70Rの機能は不明であるが、肝細胞での脂質代謝やリポタンパク質生合成に関わる可能性を想定し、ヒト肝癌細胞HuH-7において、野生型ならびに変異型P70Rを安定過剰発現する細胞株を複数取得した。今後、脂質代謝の変動を指標に解析する予定である。 4. ABCタンパク質D群の機能解析のため。酵母からヒトまでの15種について、すべてのD群タンパク質のクローニングを行ないつつ、酵母Pichia pastorisならびにHEK293細胞を用いて、タンパク質発現の最適化を試みている。
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