2009 Fiscal Year Annual Research Report
ABCタンパク質D群のオルガネラ膜への選別輸送と機能発現の分子メカニズム
Project/Area Number |
20590054
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
今中 常雄 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (50119559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏山 恭範 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (20401812)
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Keywords | ABCタンパク質 / ペルオキシソーム / 小胞体 / 局在化機構 / 基質輪送機 / 脂肪酸輸送 / 結晶化 / Pex19p |
Research Abstract |
ABCタンパク質D群のオルガネラ膜への選別輸送機構と基質輸送の分子機構の解析を行い以下に示す成果を得た。 1. ペルオキシソームへ局在化するABCタンパク質PMP70のN末端80アミノ酸の役割について解析した。PMP70のN末端80アミノ酸を除去するとPMP70は小胞体に局在化すること、N末端80アミノ酸自体はミトコンドリアに局在すること、N末端80アミノ酸とその後のTMD1-2でペルオキシソームに局在化することを見出した。N末端80アミノ酸は小胞体への局在化を抑制し、TMD1-2と協調してPMP70をペルオキシソームへ局在化させることが示唆された。 2. 上記に示したN末端配列のペルオキシソーム局在化における役割は、線虫や酵母においても観察された。よってN末端のペルオキシソーム局在化配列は、種を超えて保存されていることが示唆された。 3. P70Rの機能を明らかにするため、ヒト肝癌細胞HuH-7において野生型ならびに変異型P70Rを安定過剰発現する細胞株を複数取得した。プロテーオーム解析等によりP70Rが影響を与えるタンパク質を検索中である。 4. ABCタンパク質D群の機能解析のため、酵母からヒトまでの25種について酵母Pichia pastorisで発現させた。ヒトP70Rとそのホモログが可溶化後、安定な構造を維持していることが示唆された。今後、結晶化に向けて取組む予定である。
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