2010 Fiscal Year Annual Research Report
ABCタンパク質D群のオルガネラ膜への選別輸送と機能発現の分子メカニズム
Project/Area Number |
20590054
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
今中 常雄 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (50119559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏山 恭範 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (20401812)
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Keywords | ABCタンパク質 / ペルオキシソーム / 小胞体 / 局在化機構 / 基質輸送機構 / 脂肪酸輸送 / X線結晶構造解析 / Pex19P |
Research Abstract |
ABCタンパク質D群のオルガネラ膜への選別輸送機構と基質輸送の分子機構の解析を行い以下に示す成果を得た。 1.D郡中で、PMP70、ALDP、ALDRPはペルオキシソーム膜へ、P70Rは小胞体膜へ局在化する。ペルオキシソーム膜局在化には、N末端細胞質領域にに存在する疎水性配列が重要であること、P70Rはこの配列を欠くことを明らかにした。また、N末端のペルオキシソーム局在化配列は、線虫、粘菌,酵母等、種を超えて保存されていることが示唆された。 2.ペルオキシソームへ輸送されるABCタンパク質は、生合成過程でPex19pと複合体を形成する。次いで、ペルオキシソーム膜上でのPex3pとPex19pとの相互作用を介してペルオキシソーム膜へ局在化する。Pex3pの細胞質ドメインとPex19pのN末端フラグメント複合体のX線結晶構造解析に成功した。その結果、Pex3pとPex19pとの相互作用の分子機構を明らかにし、ABCタンパク質局在化のモデルを提示した。 3.P70Rの機能を明らかにするため、ヒト肝癌細胞HuH-7において野生型ならびに変異型P70Rを安定過剰発現する細胞株を取得し、各細胞における遺伝子発現プロファイルをDNAチップで解析した。その結果、P70Rはヘム代謝に関与する可能性が示唆された。 4.ABCタンパク質D群の機能解析のため、酵母からヒトまでの25種について酵母Pichia pastorisで発現させた。現在、その構造と機能の関連を解析中である。
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