2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590060
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
櫨木 修 Hiroshima University, 医歯薬学総合研究科, 教授 (80142751)
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Keywords | Class I PI3K / PTEN / SHIP-1 / shRNA / p110α / p110β / RAW264.7 / phagocytosis |
Research Abstract |
本研究は、種々のイノシトールリン脂質代謝酵素に特異的なshRNAを安定発現する一群の細胞クローンを作成することにより、これらの酵素の機能ネットワークについての基礎情報をえる一方、信頼に足る欠損細胞バンクを構築することを目的としている。平成20年度においては、RAW264.7細胞及びRBL2H3細胞を親細胞としてクラスI型PI3Kの4種の触媒サブユニット(p110α、p110β、p110γ、p110δ)のそれぞれを欠損した細胞をクローン化し、その機能解析に着手した。また、RAW264.7細胞についてはクラスIII型PI3KあるいはPtdIns(3,4,5)P3代謝酵素(PTENまたはSHIP)を欠損した株も作成した。RAW264.7細胞を用いた解析では『TLR4架橋刺激によるPI3K-AKT経路の活性化』『iNOS産生に対する負のフィードバック機構』においてクラスI型PI3Kの中でもp110βが特異的な役割を果たしていることを発見した。同細胞では、『顆粒のとりこみ(食作用)』および『分子量の大きい分子のとりこみ(飲作用)』においてはp110αが特異的に機能していることも発見した。さらに、SHIP-1,PTENはいずれも食作用を負に制御しているが生理機能に違いがあること、飲作用のうち低分子物質のとりこみにはクラスI型PI3Kのいずれのサブタイプも機能していないことも観察した。RBL2H3細胞を用いた解析では『IgE受容体架橋刺激による穎粒放出反応の活性化』においてクラスIB PI3Kは機能しておらずクラスIA PI3Kが重要な働きをしているが、クラスIA PI3Kのメンバーであるp110α、p110β、p110δは互いの機能を相補しうるという新しい知見がえられた。
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Research Products
(3 results)