2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム不安定性の増大が誘導する癌細胞選択的細胞死の機構解明と癌治療への応用
Project/Area Number |
20590061
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
嶋本 顕 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70432713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 栄俊 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00271065)
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Keywords | 細胞周期 / DNA損傷応答 / チェックポイント / 細胞死 |
Research Abstract |
DNA損傷はがん細胞選択的な細胞死を引き起こす。この機構として、がん細胞では癌抑制経路の異常によりDNA損傷が生じても細胞周期は進行し、G2チェックポイントを乗り越えM期に侵入した結果、分裂死を引き起こすと考えられる。しかし、M期において細胞死に至る分子メカニズムは不明である。本研究は、DNA損傷を受けたがん細胞がM期に進入後に分裂死に至るメカニズムの解明を第一の目的とした。 昨年度はヒト全遺伝子に対するshRNA発現レンチウイルスライブラリーをHeLa細胞に感染させ、monastrol耐性のコロニーを数十クローン得ることができた。そこで今年度はmonastrol耐性のコロニーからshRNAのクローニングを行った。各コロニーを24穴プレートに植え継ぎ、増殖した細胞からゲノムDNAを調製した。レンチウイルスベクターにおいてshRNA領域を増幅可能な共通配列をプライマーとして,各クローン由来のゲノムDNAを鋳型としてPCRを行い、増幅されたDNA断片をpGEM-Tプラスミドにサブクローニングした。各クローンに由来するプラスミドDNAを8クローンずつ調製し、塩基配列を決定した。得られた塩基配列をデータベースで検索し,独立した配列として12遺伝子を同定した。 これら12種類のshRNAそれぞれが本当にmonastrol誘導性細胞死を抑制するかを明らかにする目的で,得られた塩基配列をもとにオリゴDNAを合成し、レンチウイルスベクターに組み込むことによって12種類のshRNA発現レンチウイルスベクターを構築した。
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