2008 Fiscal Year Annual Research Report
病原微生物(ウィルス)によるアトピー型喘息の発症促進機構および制御機構の解明
Project/Area Number |
20590062
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
田中 宏幸 Gifu Pharmaceutical University, 薬学部, 准教授 (70264695)
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Keywords | 気管支喘息 / 自然免疫応答 / ウィルス感染 / アレルギー |
Research Abstract |
本研究では、先行するウィルス感染様刺激によって喘息の発症促進あるいは抑制が認められるマウスモデルを利用して、その機序を解明することにより、気管支喘息の病態解明ならびに新規治療標的の探索を目的としている。 本年度は、先ず2本鎖RNA(dsRNA)前処置による喘息様病態形成の促進および抑制に関与する遺伝子を、 in vivoモデルの気管および肺のサンプルを使用してDNAマイクロアレイにより網羅的に解析することとした。すなわち、マウスの気管内にdsRNAのみを投与した群、ダニ抗原のみ投与した群、 dsRNA先行投与後にダニ抗原を気管内投与した群からそれぞれ気管・気管支・肺実質を回収し、それらをサンプルとしてDNAマイクロアレイによる実験を実施した。現在、実験が終了し、その解析を始めたところである。 本年度のもう一つの課題である本表現系発現へのTLRの関与を、 toll-like receptor (TLR)3、4およびtype I IFN受容体欠損(KO)マウスを用いて検討した。その結果、 TLR3あるいはTLR4 KOマウスではdsRNA前処置によって観察されるダニ抗原による喘息様病態形成の促進および抑制への影響は全く認められなかった。従って、本モデルではdsRNAの認識にはTLR3は関与していない可能性が示唆された。また、ダニ抗原あるいはdsRNA中にはごく微量のLPS等の混入も考えられ、それらが表現型に影響を及ぼす可能性も考えられたが、 TLR4KOマウスにおいても本モデルにおける表現型は観察されたため、その可能性は少ないと思われる。一方、 type I IFN受容体KOマウスに関しては、マウスのbackgroundがB6マウスであるため、本来の表現型を十分に再現することができなかった。
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