2009 Fiscal Year Annual Research Report
カポシ肉腫関連ウイルスに対する分子標的治療法の開発研究
Project/Area Number |
20590068
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
野口 耕司 Keio University, 薬学部, 准教授 (80291136)
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Keywords | KSHV / ヘルペスウイルス / がん / 分子標的 / 抗がん剤 / 感受性 / NF-kappaB / cyclin |
Research Abstract |
カポシ肉腫関連ウイルス(Kaposi's sarcoma-associated virus/KSHV、またはヒトヘルペスウイルスー8/HHV-8)は、1994年に同定された比較的新しいガンマヘルペスウイルスである。カポシ肉腫関連ウイルスに対する有効な新しい抗ウイルス薬治療法の確立というのは、実際の患者に有益な研究課題と考えられ、本研究課題では、カポシ肉腫関連ウイルスの遺伝子発現による薬剤感受性の変化のプロファイル作成と、その情報を基盤にしてカポシ肉腫関連疾患に有効な薬剤の探索する実験を計画した。 平成21年度では、前年度に作成した細胞株(病原性に関わる因子、LANA、v-cyclin、vFLIP、vGPCRの発現プラスミドをHEK293細胞にトランスフェクションして安定導入発現細胞株)に対して、既存の抗がん剤10種類以上に対する感受性をMTT法で検討したとろ、ゲムシタビンに対して、LANAとv-cyclinを共発現する安定導入細胞株が感受性を増大させていることが明らかになった。また、vFLIPを安定導入発現させた細胞株では、ブレオマイシン類の抗がん剤に感受性変化が見られている。その原因については今後の課題と思われる。これらの抗がん剤感受性の増大について、DNA損傷のパラメーターであるgamma-H2AXの出現が増大していた。この結果、ウイルス遺伝子発現細胞では、それぞれの抗がん剤処理によるDNA損傷とそれに続くDNAダメージチェックポイント機構が亢進していることが明らかとなった。今後はその詳細な分子機構の解析が望まれる。
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Research Products
(15 results)