2009 Fiscal Year Annual Research Report
時計遺伝子BMAL1の機能欠損によるメタボリックシンンドローム発症とそのメカニズム
Project/Area Number |
20590071
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
榛葉 繁紀 Nihon University, 薬学部, 准教授 (20287668)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 時計遺伝子 / BMAL1 |
Research Abstract |
Brain and Muscle Arnt like protein 1 (BMAL1)は、生体のサーカディアンリズムを制御する転写因子であり、ヒトSNP解析によりII型糖尿病ならびに高血圧発症との関連が示されている。またBMAL1はほぼ全身に発現し、各臓器における代謝活性の制御に関与することを我々は報告した。そこで、本研究では、肝臓での代謝調節制御におけるBMAL1の役割を明らかにする目的で、肝臓特異的BMAL1欠損(L-BMAL1 KO)マウスを作製し、その解析を行った。 コントロールマウスならびにL-BMAL1 KOマウスの体温を測定したところ、L-BMAL1 KOマウスにおいて上昇が示された。また酸素消費量においても同様にL-BMAL1 KOマウスにおいて増加が示された。これらの結果は、L-BMAL1 KOマウスにおいて脂質の利用が上昇していることを示唆している。そこでL-BMAL1 KOマウス並びにコントロールマウスに高脂肪食給餌下で飼育し、その体重変化を検討した。その結果、L-BMAL1 KOマウスにおいて、高脂肪食負荷により誘発される体重増加ならびに脂肪組織の肥大化の抑制が示された。また脂肪組織における遺伝子発現を解析したところ、レプチンならびにアディポネクチンの発現増加が認められた。またこれらアディポサイトカイン類の増加は血中タンパク質レベルにおいても確認された。さらに血中インスリン濃度の上昇ならびにそれに伴う空腹時血糖の低下が示された。すなわち肝臓のBMAL1は、全身のエネルギー貯蔵のバランスの制御に関与することが示唆された。
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Research Products
(34 results)