2009 Fiscal Year Annual Research Report
マンナン結合タンパク質とマトリックスメタロプロテアーゼの相互作用とその生理的意義
Project/Area Number |
20590074
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
川嵜 伸子 Ritsumeikan University, 総合理工学研究機構, 教授 (70077676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嵜 敏祐 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 教授 (50025706)
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Keywords | マンナン結合タンパク質 / メプリン / マトリックスメタロプロテアーゼ / レクチン / 糖鎖 / マンナン結合レクチン / 補体活性化 / 腎虚血再灌流 |
Research Abstract |
血清マンナン結合タンパク質(MBP)は、Man/GlcNAc/Fucに特異的なCa^<2+>依存性のレクチンであり、補体系を活性化するなど(レクチン経路)、先天性免疫に働く。本研究はこのMBPの生理的条件下での新規内在性リガンドとして腎臓に見出された、高度に糖鎖付加されたマトリックスメタロプロテアーゼであるメプリンとMBPとの相互作用を解析し、その生理的意義を解明することを目的としている。 最近、MBPノックアウトマウスを用いた研究により、腎虚血によって尿細管壊死が引き起こされる過程に補体系が関与していることが示されている。しかし、腎虚血再灌流障害における補体活性化の詳細な機構は不明である。そこで、H21年度の研究においては、虚血性腎障害の原因解明を目的として、MBPとメプリンの相互作用による補体活性化について、まず、in vitroの系で検討した。プラスチックプレートにメプリンを固定化した後、MBP,MASPs(MBP-associated serine proteases)、補体成分C4,HRP標識したC4bに対する抗体を順に加え、HRPの発色基質によりC4bの沈着の程度を測定し、これを補体活性化の指標とした。その結果、メプリンとMBPの相互作用により補体系が効率的に活性化されることを明らかにすることができた。次いで、実験的腎虚血再灌流(IR)モデルマウスを作製した。マウスの両腎動脈血流を血管用鉗子で40分間停止させることにより賢臓を虚血状態にし、その後、鉗子を除去することにより再灌流を引き起こした。この際、腎動脈の血流を停止させなかったマウスをshamマウスとした。腎障害の指標として血中尿素窒素(BUN)を測定した。 次年度は、BUNがshamの約3倍に上昇している虚血後6時間経過したマウスを用いて、免疫染色、タンパク質定量、mRNA発現量の測定等を行い、in vivoにおける補体活性化について解析する。
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Research Products
(8 results)