2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590075
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
藤井 忍 Osaka University of Pharmaceutical Sciences, 薬学部, 講師 (80218966)
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Keywords | スフィンゴミエリナーゼ / 触媒機構 / 基質認識 |
Research Abstract |
SMaseはSMのリン酸エステル結合を加水分解する。そこで、SMのリン酸エステル結合の酸素原子をメチレン(CH_2)、エチレン(CH_2-CH_2)、硫黄(S)、アミン(NH)、およびジフルオロメチレン(CF_2)に置換したSMアナログを合成し、B.cereus菌由来SMaseの酵素活性に及ぼす影響を調べた。その結果、これらの化合物のすべてはSMaseの酵素活性を阻害し、阻害の強さはNH>CF_2>CH_2-CH_2>CH_2>Sの順であった。次に、NHアナログとCH_2アナログについてSMaseの阻害様式を3種類の基質を用いて調べた結果、HNPを基質に用いた場合には不競合阻害を、SMを基質に用いた場合には混合型阻害を示したが、Lyso-PCを基質に用いた場合には逆に酵素活性を増大させた。以前我々は、短鎖Lyso-PCを基質に用い、そのcmc(臨界ミセル濃度)前後の濃度で酵素活性を調べた結果、SMase分子内には、活性部位(狭義の基質結合部位)とは別にアロステリック部位が存在し、アロステリック部位に基質が協同的に集合すると、SMaseが構造変化を伴って活性化されることを示した。このことから、今回用いた基質アナログは、基質結合部に結合して活性阻害に寄与するとともに、アロステリック部位にも結合して活性化にも寄与することが考えられるた。また、B.cereus菌由来SMaseの界面認識に関与することが予想される3つのアミノ酸残基を置換した変異体酵素を調製し、その役割を解明しつつある。他方、哺乳類由来中性Mg^<2+>依存性SMaseについては、膜結合ドメインを欠損させた変異体が大腸菌によって発現できたが、活性を有する酵素は得られなかった。そこで、バキュロウイルスを用いた発現系についても検討中である。
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Research Products
(2 results)