2008 Fiscal Year Annual Research Report
精子幹細胞のゲノム安定性におけるポリ(ADPーリボシル)化反応の役割
Project/Area Number |
20590076
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Research Institution | Otani Womens University |
Principal Investigator |
竹橋 正則 Otani Womens University, 薬学部, 専任講師 (10378862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 静吾 大阪大谷大学, 薬学部, 教授 (70263150)
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Keywords | 精子幹細胞 / ポリ(ADP-リボシル)化 / PARP / 発生・分化 / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究は、発生工学や再生医療への利用が期待されている精子幹細胞について、そのゲノム安定性の制御および多能性の獲得機構を明らかにすることが目的である。とくに、生体内においてDNA修復、染色体の安定性、発癌などとの関連が知られているポリ(ADP-リボシル)化反応に着目し、その反応を担う主要な酵素、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)ファミリーの役割について解析する。本年度はPARPコンディショナルノックアウトマウスの作製を試み、1つのファミリーについて作製に成功した。このマウスと既存のPARPノックアウトマウスを掛け合わせることで、生体内における主要なポリ(ADP-リボシル)化反応の時限的な制御が可能となった。一方、ポリ(ADP-リボシル)化反応の精子幹細胞の増殖・分化に及ぼす影響を解析するため、PARP阻害剤を用いた実験をおこなった。まずコントロールとして組織幹細胞の1つ、神経幹細胞を用いた解析をおこなった。胎生14〜15日のICRマウス胎児から樹立した神経幹細胞にPARP阻害剤を作用させ、細胞数の変化、細胞死、BrdUの取り込み、マーカー分子の遺伝子発現およびタンパク質発現、レポーターアッセイによる特定の転写因子への影響などについて調べた結果、PARP阻害剤が神経幹細胞の増殖を抑制することがわかった。この結果を参考にして、同系統のマウスから樹立した精子幹細胞について同様に、さらには核型やゲノムインプリンティングパターンなどの解析も進めている。
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