2010 Fiscal Year Annual Research Report
精子幹細胞のゲノム安定性におけるポリ(ADPーリボシル)化反応の役割
Project/Area Number |
20590076
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Research Institution | 大阪大谷大学 |
Principal Investigator |
竹橋 正則 大阪大谷大学, 薬学部, 専任講師 (10378862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 静吾 大阪大谷大学, 薬学部, 教授 (70263150)
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Keywords | 精子幹細胞 / ポリ(ADP-リボシル)化 / PARP / 発生・分化 / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究の目的は、精子幹細胞の増殖、分化、ゲノム安定性機構を明らかにするため、DNA修復、染色体の安定性、発癌などとの関連が示されているタンパク質翻訳後修飾の1つ、ポリ(ADP-リボシル)化反応に着目し、この反応の精子幹細胞における役割を究明することである。 前年度までの研究から、ポリ(ADP-リボシル)化反応を担う酵素、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)の活性を阻害することによって、精子幹細胞や神経幹細胞の増殖が抑制されることが明らかとなった。 本年度はこのPARPの阻害剤がこれら幹細胞の増殖を抑制するメカニズムを調べるために、細胞周期やそれに関わる分子の解析をおこなった。さらに、PARPの阻害が精子幹細胞のゲノムインプリンティングパターンなどのエピジェネティックな修飾に影響を与えるかどうかについても、Bisulfite genomic sequencing法およびCOBRA法などを用いて解析した。これらの解析のうち、フローサイトメーターを用いた細胞周期の解析と、細胞周期の進行に関与するサイクリンA、B、D、Eとp21、p27などの遺伝子およびタンパク質発現の解析結果から、ポリ(ADP-リボシル)化がこれらの幹細胞の細胞周期制御に影響し、幹細胞の増殖に重要な役割を担っていると考えられた。
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