2009 Fiscal Year Annual Research Report
高トリグリセリド血症による動脈硬化進展とウロテンシン2の重要性
Project/Area Number |
20590087
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石幡 明 Yamagata University, 医学部, 教授 (40232326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野 由美 山形大学, 医学部, 名誉教授 (70018696)
伊藤 恒賢 山形大学, 医学部, 助手 (80241719)
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Keywords | トリグリセリド / 動脈硬化 / PHTウサギ / 血管 |
Research Abstract |
26~31週齢の遺伝性食後高トリグリセリド血症家兎(PHT)と、同週齢の日本白色家兎(JW)を用い、血管機能について比較検討した。胸部大動脈を摘出し、血管リング標本を作製した。標本を、混合ガス(95%O_2、5%CO_2)を通気したKrebs-Henseleit液(37±0.1℃)を満たした10mlのorgan bathに懸垂し、等尺性トランスデューサーを用いて収縮張力を測定した。内皮機能についてはアセチルコリン、血管平滑筋の収縮性はフェニレフリンおよびアンジオテンシンII、血管平滑筋の弛緩性はニトロプルシドを用いて検討した。高トリグリセリド血症によるAIIの血管収縮作用の変化:AIIによる血管収縮反応は、両群ともに10-8~3×10-8Mでピークに達した。JWに比べPHTの方が収縮が弱い傾向があったが、有意差はなかった。JWにおけるAIIの血管収縮反応は、L-NAME存在下で有意に増強したが、PHTでは有意差はなかった。一方、diclofenac存在下では両群ともに収縮は増強しなかった。PHTではLNAMEの効果がなかったことから、内皮細胞からのNO産生遊離機能が減弱している可能性があると考えられる。また、AII単独投与の収縮反応は、JWに比べてPHTの方が弱い傾向があった。PHTでもAT1受容体を介した血管収縮に拮抗した血管拡張のメカニズムが存在する可能牲があると考えられる。高トジグリセリド血症は血管内皮細胞のNO産生遊離機能を滅弱する再能性があること、またそれらに拮抗する代償機構が発達する可能性があることが示唆された。これらのメカニズムについては今後さらに検討していく必要がある。
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Research Products
(4 results)