2010 Fiscal Year Annual Research Report
高トリグリセリド血症による動脈硬化進展とウロテンシン2の重要性
Project/Area Number |
20590087
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石幡 明 山形大学, 医学部, 教授 (40232326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野 由美子 山形大学, 医学部, 名誉教授 (70018696)
伊藤 恒賢 山形大学, 医学部, 助手 (80241719)
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Keywords | トリグリセリド / 動脈硬化 / ウサギ / 血管 |
Research Abstract |
高トリグリセリド血症のモデル兎を用いて、高トリグリセリド血症と各種疾患,なかでも高トリグリセリド血症による動脈硬化病変の形成および血管機能の異常、インスリン抵抗性の増加に伴う耐糖能異常の病態との関連を明らかにし、それらの発症および進展を抑制する方法について研究した。また、ピセアタンノールなどのポリフェノールがこれら心血管機能に対して改善効果を示すかについて研究した。動脈硬化症の改善を生理的指標で見るために,摘出血管を用いて,内皮依存性弛緩反応の大きさをコントロール群と比較した。胸部大動脈を摘出し、血管リング標本を作製した。標本を、混合ガス(95%O_2、5%CO_2)を通気したKrebs-Henseleit液(37±0.1℃)を満たした10mlのorgan bathに懸垂し、等尺性トランスデューサーを用いて収縮張力を測定した。PHTではLNAMEの効果がなかったことから、内皮細胞からのNO産生遊離機能が減弱している可能性があると考えられた。内臓脂肪組織および血漿中の脂質過酸化物をTBARS測定により各ウサギで比較したところ,PHTウサギで有意に増加していることが明らかになった。さらに,生体内で実際にNOがどのように変化するか,HPLC法により定量したところ,血漿中のNOは血管弛緩反応とは逆にPHTで増加していた。以上の結果から,高トリグリセリド血症はフリーラジカル等の酸化ストレス増加によって血管内皮細胞が機能障害を受けNO産生が減弱すること、またそれらに拮抗する代償機構が存在する可能性があることが示唆された。ピセアタンノールは血管弛緩反応と虚血心臓の機能改善効果を示し,それらはフリーラジカル等の酸化ストレスの除去によるものと推察された.
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Research Products
(6 results)