2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規気管支喘息治療薬開発に向けた気管支平滑筋過敏性発現メカニズムの解明
Project/Area Number |
20590093
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
千葉 義彦 Hoshi University, 星薬科大学・薬学部, 准教授 (00287848)
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Keywords | 気管支喘息 / 気管支平滑筋 / カルシウム感受性 / RhoA / Interleukin-13 / STAT6 / SOCS / RNA干渉 |
Research Abstract |
1.気管支平滑筋過敏性発症に関与するサイトカイン受容体の同定 培養ヒト気管支平滑筋細胞におけるRhoAタンパク質発現に及ぼすinterleukin-13(IL-13)の効果について検討を行ったところ、STAT6の活性化を介してRhoA mRNAおよびタンパク質発現が著明に増大することを明らかにした。さらにRT-PCR法を用いて、気管支平滑筋細胞にIL13Ralpha正受容体が発現していることを明らかにした。したがって、気管支喘息時の気道において増加が認められるIL-13が、気管支平滑筋に存在するIL13Ralphal受容体を刺激してSTAT6を活性化し、その結果RhoA transcriptionが亢進してRhoAタンパク質発現が増大する可能性が示唆された。さらに、IL-13刺激によりNF-kBも活性化されることを初めて見いだし、このIL-13-NF-kB経路もRhoA upregulationに一部関与している可能性を明らかにした。これらのIL-13の効果は、ステロイド剤処置により抑制された。一方、LI-13RalphalのsiRNA発現ベクターの作製を試みたが、細胞レベルにおいて十分なRNAi効果が得られず、さらに改良する余地が残された。 2.気管支平滑筋過敏性発症に関与するSTATサブタイプの同定 培養ヒト気管支平滑筋細胞にIL-13刺激を加えることにより、STAT1およびSTAT6が活性化されることを明らかにした。このとき、IL-13誘発RhoA upregulationが選択的STAT6阻害薬ASI517499により抑制された。さらにSTAT6 siRNAによっても同様の結果が得られ、RhoA発現にSTAT6が重要な役割を担っていることを証明した。一方、このIL-13刺激により、抑制性因子であるSOCSsのupregulationも観察され、このSOCSシグナリングを活性化させることによりRhoA発現を抑制して過剰な収縮反応すなわち気道過敏性を抑制する可能性を示唆した。
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