2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規内因性コリン作動性ポリペプチドの免疫系細胞における発現と生理作用の薬学的研究
Project/Area Number |
20590094
|
Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
川島 紘一郎 Musashino University, 薬学研究所, 客員教授 (70095008)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
氷見 敏行 武蔵野大学, 薬学研究所, 教授 (30222243)
|
Keywords | SLURP-1 / CHT1 / 免疫組織化学 / α7nAChR / Western blot / マクロファージ |
Research Abstract |
新規内因性ポリペプチドSLURP (secreted mammalian Ly-6/urokinase-type plasminogen activator receptor (uPAR)-related protein)-1は,ニコチン性アセチルコリン(ACh)受容体(nAChR)α7サブユニットのアロステリック・リガンドとして働いている.本研究では, SLURP-1の肺組織における発現を免疫組織学的に検討した. 独自に作製,あるいは市販の特異抗体を用いて,(1)C57BL/6Jマウスの肺におけるSLURP-1,コリン作動性神経マーカーCHT1,マクロファージ(MΦs)マーカーF4/80,神経マーカーPGP9.5および粘液分泌細胞マーカーmucin5ACの発現を検討した.(2)Westernblotにより,肺と気道におけるSLURP-1発現を検討した. (1)気管支線毛上皮細胞にSLURP-1の特異的発現を発見した.(2)Western blotの結果から,肺と気道におけるSLURP-1発現を確認した.(3)気管支の線毛上皮細胞と固有層PGP9.5陽性神経にCHT1発現を確認した.(4)線毛上皮細胞とコリン作動性神経の近傍にF4/80陽性MΦsの浸潤を観察した. 線毛上皮細胞は,ACh産生能をもち,α7nAChRを発現している.さらにSLURP-1が発現していた.これらの結果から,線毛上皮細胞が産生したAChとSLURP-1は,(1)自身のα7nAChRに,オートクライン的に働いてホメオステーシス維持に関与し,(2)線毛上皮細胞および固有層コリン作動性神経の近傍では, MΦsのα7nAChRに働いて, TNF-α遊離の調節に関与している可能性が考えられる.
|