2008 Fiscal Year Annual Research Report
ストランドインベージョンを機序とするアンチジーン分子の医薬分子設計
Project/Area Number |
20590099
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 亨 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 助教 (40242036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘高 敦史 帝京大学, 薬学部, 教授 (00214833)
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Keywords | 核酸 / ゲノム / 遺伝子 / 癌 / 有機化学 |
Research Abstract |
本研究は、二本鎖DNAに配列特異的に侵入(ストランドインベージョン)し、立体障害によってRNAポリメラーゼの進行をプロヅするアンチジーンPNAの開発を目的としている。アンチジーンPNAは配列特異性を失うことなくDNAと強く結合する必要がある。平成20年度は標的DNAとカテナンを形成することによってPNA-DNA複合体が安定化するようにデザインしたPNAオリゴマーの合成を中心に研究を行なった。 【分子設計】プリン塩基のみからなるPNAオリゴマーは鎖状二本鎖DNAにストランドインベージョンで結合できるが、この複合体は不安定で容易にはずれてしまうことが知られている。本研究ではこの配列を使った第一世代カテナン用PNAをデザインした。2分子のPNAオリゴマー(10塩基以内)をさまざまなタイプのリンカーで直列に連結し、N末端をアミノ基、C末端をホルミル基とした。これは水中でのPNAの環化にシッフ塩基形成が適用できるか検討するためである。シッフ塩基は水中では容易にアミンとアルデヒドに解離してしまうが、標的配列に結合することによって両端のアミノ基とホルミル基が接近するので水中でも十分安定に存在できると考えられる。生成物がカテナンの場合はシッフ塩基を還元して結合を固定すればゲルシフト法で検出できる。 【合成】文献既知のホモプリンPNAを使ったカテナン用PNAの合成を行なったが、複雑な混合物となってしまった。HPLCで分取したすべてのピークをマススペクトルで調べたが目的とするPNAは得られなかった。報告されているホモプリンPNAはBoc法で合成されているのに対し、本研究ではFmoc法でオリゴマー合成を行なったことが原因かもしれない。我々はこれまでに、Fmoc法で合成できるホモプリンPNAをいくつか見出しているので合成上の問題は解決可能と考えている。
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Research Products
(2 results)