2010 Fiscal Year Annual Research Report
新薬開発の成功率向上を目指した医薬品開発規制環境の改善に関する研究
Project/Area Number |
20590100
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 俊介 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (40345591)
|
Keywords | 医薬品臨床開発 / 臨床試験 / 規制環境 / ドラッグラグ / 成功確率 / 開発戦略 / 製薬 / 市販後安全性 |
Research Abstract |
【新薬開発状況の更新】複数のデータソースから得られた臨床試験及び承認医薬品の情報を統合しデータベース(平成20年度作成開始)を更新・拡大した。国内外の企業ごとの開発品目数の推移、オリジネーター企業特性、開発相Elごとの成功確率、開発期間、審査期間、薬価、被験者数等に関する情報を収集した。国際共同治験に関する開始年、参加国等の情報を追加した。 【ドラッグラグに関連する分析】日米欧の新薬上市ラグを国ごとに比較した。日本での新薬上市のタイミングは、1990年以前は米英に先行していたが、それ以降は米英に遅れていること等が分かった。上市時期の国ごとのばらつきは近年徐々に縮小傾向にあった。ドラッグラグが生じる原因を探索するため、収集したデータに基づく多変量解析を行った。開発着手ラグのなかでも、日米での第II相、第III相試験の着手ラグに着目した。その結果、日本での臨床試験着手が米国に対して遅れるほど、相移行確率(開発の成功確率)が高くなるとの結果が得られた。また、ドラッグラグが国民の健康アウトカムとどのように関連するかの手がかりを得るため、新薬発売後の副作用発現に対する措置数との関係を分析したところ、ドラッグラグと負の相関があることがわかった。承認審査に要した期間に係る分析では、治験相談制度の活用等によって審査期間が影響を受けている可能性が示唆された。 【国際共同治験と日本の状況】国際共同治験の実施状況に関する分析を実施した。日本では他国に比べ総試験数に占める国際共同治験の割合も絶対数も小さいことが分かった。
|
Research Products
(10 results)