2010 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄産亜熱帯植物に由来する新規抗がん剤リード化合物の探索研究
Project/Area Number |
20590103
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浪 勝義 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70379890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 英昭 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00107385)
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Keywords | 生物活性物質 |
Research Abstract |
世界中の製薬企業、政府研究機関や大学などの研究者が勢力的に探索研究を行い開発した結果、いくつかの抗がん薬が臨床使用され、一定の成果をもたらしている。しかし、癌はいまだ死因のトップに挙げられており、新たに多剤耐性化の問題が表出するなど、現在、新規抗がん剤リード化合物の探索研究は緊急に取り組むべき課題のひとつである。数年前から上記の課題に取り組み、培養がん細胞増殖抑制活性などを示す化合物に関していくつかの成果を発表してきた。本研究では、引き続き培養がん細胞増殖抑制活性を指標にすると共に、それに加えて多剤耐性機構の重要な機構の1つである薬物排出トランスポーターの機能を阻害する活性や、新しい試みとしてがん細胞の不死化に関係するテロメラーゼの主要サブユニットであるhTERTの発現抑制活性を指標にして探索研究を進め、臨床使用可能な薬物を1つでも増やすことが本研究の主要目的とした。研究は(1)研究対象とする植物サンプルの採集。これは日本における動植物の固有種、貴重種の宝庫である琉球諸島にて、ほとんど化学的研究がされていない植物を中心に採集する。(2)抽出物の調製および活性試験によるスクリーニング。(3)活性を指標にした各種カラムクロマトグラフィーによる分離精製(4)。NMR、MSなどのスペクトルデータの解析による構造決定。(5)in vitro活性評価、構造活性相関の検討、の順に行い、その結果、ヒト肺がん細胞細胞株に対する増殖抑制活性、および多剤耐性株(この株はABCトランスポーターの一つP-gpを過剰発現していることがわかっている)を用いた解析で活性が見られた化合物を単離精製しその化学構造を解明することに成功した。それらには新規化合物8個を含み、リード化合物としての可能性を示すものであった。
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Research Products
(26 results)