2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNAポリメラーゼ阻害活性を有するカテキン類の合成と構造活性相関
Project/Area Number |
20590106
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
中島 範行 Toyama Prefectural University, 工学部, 教授 (40188959)
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Keywords | カテキン類 / 3-アシルカテキン / 3-アシルエピカテキン / プロシアニジン類 / γ-butyrolactone / 3-アルキルカテキン |
Research Abstract |
カテキン類やその誘導体の合成におけるフェノール性水酸基の保護基としてt-butyldimethylsilyl (TBS)基を用いたカテキン誘導体の合成を検討し、3位に飽和および不飽和脂肪酸を有する3-アシルカテキンおよびエピカテキン誘導体をキログラムスケールで合成することに成功した。さらに、TBS基を保護基としたカテキン-カテキンの二量体合成にも成功し、カテキン類の組み合わせを変えてカテキンの二量体4種の合成が行えることが確認できた。また、カテキン類が腸内細菌等で代謝されることによって生じるとされるγ-butyrolactone類の鏡像体を含めた合成を行い、6種のラクトン代謝物をそれぞれ合成した。 合成した3-アシルカテキンや3-アシルエピカテキンと3-アルキルカテキン、また一連のプロシアニジン類のDNAポリメラーゼに対する阻害活性評価を行った。3-プシルカテキン類においては、脂肪酸鎖長が長くなるにつれて阻害活性が向上する傾向が見られ、C18の同一鎖長においては、飽和よりも不飽和度の高い不飽和脂肪酸に高い活性が見られた。また、3-アルキルカテキンの阻害活性は対応する3-アシルカテキンより低かった。一方、3-アシルエピカテキン類においては、C16の飽和脂肪酸の活性が最も活性が高くなり、カテキン類とエピカテキン類に興味深い違いが見られた。 合成したγ-butyrolactone類の生理活性についてさらに検討する予定であり、最も高活性な化合物については、動物を用いた評価を行うことを計画している。
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Research Products
(4 results)